エネルギーを生産する細胞と細胞を作らないウイルス
風邪を引いて、感染症になったのだから、、、
・抗生物質を処方された
・抗生物質を処方されなかった
などと耳にすることがあります。

風邪を引いたときは抗生物質は効かない理由とは
結論からいうと見出しの通りで、「風邪を引いたときに抗生物質を処方しても効きません」ということ。
そして、、、
抗生物質は、細菌に対して効果がでる薬剤であり、ウイルスには効果が無いことが風邪を引いたときに抗生物質を処方しても効果が無い理由
です。
しかし、、、
まったく抗生物質が風邪に効かないということでもありません。
そこが、ちょっと難しく混同してしまう原因でもあります。
というのは、、、
細菌が原因で感染症なる場合もある
のです。
細菌が原因でなる感染症
百日咳や結核、梅毒は、菌が原因。
細菌性感染症 |
百日咳 |
マイコプラズマ肺炎 |
梅 毒 |
結 核 |
コレラ |
ジフテリア |
赤痢 |
溶連菌感染症 |
O157などの腸管出血性大腸菌感染症 など |
呼吸器感染症、尿路感染症、敗血症、髄膜炎などの病気は1つの菌が体のどの部分で引き起こすかで病名が変わります。
ウイルスが原因でなる感染症
風邪といえばウイルス性と言って良いほど。
世界中を席巻したcovid19(新型コロナウイルス)もこの類い。
ウイルス性感染症 |
風邪 |
インフルエンザ |
水疱瘡 |
おたふくかぜ |
麻疹 |
風疹 |
ウイルス性肝炎(A型・B型・C型) |
天狗熱 |
エボラ出血熱 など |
「細菌」と「ウイルス」の違いとは?

一般的な風邪は、ウイルスが原因でした。
が、、、
「細菌」も「ウイルス」も感染症を起こすことには変わりがありません。
どちらも体内で増殖して病気を発症させます。
では、、、
「細菌」と「ウイルス」の違いはというと、生き物であるか生き物でないかの差
だと、いえます。
細菌とは何?
細菌の特徴は、、、
- 細胞を持っていること
- エネルギーを生産していること
- 細胞分裂して増殖していること
ウィキペディア:原核生物
人間や動物、植物は、「真核生物」といい、DNAがタンパク質に巻き付き染色体という構造で核の部分におさまっており、「原核生物」の細菌とは別になります。

ウイルスとは何?
ウイルスの特徴は、、、
- 細胞がないこと
- エネルギーを生産しないこと
- 自力で動くことはできないこと
- ウイルス単体では増殖できないこと
細菌は、顕微鏡で観察できるのに比べウイルスは、非常に小さく顕微鏡で見ることもできません。電子顕微鏡であれば観察できます。
では、、、
細胞もなく、エネルギーも生産せず、自力でも動けないウイルスがどうやって増殖するのでしょうか?
それは、、、

最後に、厚生労働省から
「風邪に抗生物質投与は控えて」 厚労省が手引書

以下の記事は、日本経済新聞から、、、
抗生物質を使いすぎると薬剤耐性菌が増え、治療に有効な抗生物質が将来なくなる事態が懸念されているため。早ければ今月中にも、日本医師会などを通じて全国の医療機関に配る。
手引書では、一般的な風邪の原因となるウイルスには抗生物質が効かないことから、「投与を行わないことを推奨する」とした。医師が患者に説明する際に「抗生物質は効かない」と告げた上で、症状が悪化する場合は再受診するよう指示しておくことが重要だとしている。
一方、ふだんより排便回数が1日3回以上増える急性下痢症は、ウイルス性、細菌性にかかわらず自然と良くなることが多い。そのため安易に抗生物質を使わないよう呼びかけている。
厚労省によると、薬剤耐性菌への対策を取らなければ、2050年には同菌によって世界で年1千万人が亡くなるとの推計もある。
日本経済新聞:2017年3月6日「風邪に抗生物質投与は控えて」 厚労省が手引書 より
痩せないのは、抗生物質が原因かも・・・
参考にしたサイト:
メディカルノート:細菌とウイルスの違いとは?
東邦微生物研究所:細菌とウイルスとの違い?
Steve BuissinneによるPixabayからの画像
![]() | あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。 |