日本人の国民食「カレー」を食べると動脈硬化を予防できる研究結果
カレー大好きな人に朗報です。
という研究結果があります。
日本人の国民食といってもいい「カレー」ですが、ハウス食品グループの調査では、だいたいひと月に2回ほどカレーを食べているようです。
かく言う私も2回以上は食べているのではないでしょうか。

ハウス食品と広島大病院の東幸仁教授(循環器内科)グループの共同研究
カレーを食べると、カラダがホクホクして汗をかきますが、その時には素晴らしく血流も良くなっているようです。
カレーは、抗酸化力がバツグンに良い
下のグラフは、「料理別の抗酸化力」を比べものです。

市販のカレーと各種食品(パスタ、野菜炒め、サラダ、肉じゃが、野菜ジュース、鍋料理、オムライス、ハンバーグ、スナック菓子、ハンバーガー、鶏のから揚げ)の抗酸化力を1食分あたりで比較しました。
USDA(米国農務省)が2010年に発表したORAC値を用いて計算したところ、比較した12種類の食品のうちカレーの抗酸化力は最も高い値を示しました。
ハウス食品と広島大病院の東幸仁教授(循環器内科)グループの共同研究より
日本人の1/3の死因が「動脈硬化」
日本人の死因を見てみると、、、
- ガン(癌)
- 心疾患
- 脳血管疾患
じつは、日本人の死因の1/3は、『動脈硬化』であることが分かります。
それは、、、
日本人の食事のスタイルが、太平洋戦争後以来、欧米化したことが原因と考えられます。
そして、、、
食生活が欧米化したことにより、日本人の多くの人が、脂質異常症(高脂血症)を病むようになった。
という流れです。
また、「危険因子」が多い人ほど、心筋梗塞や、脳梗塞、狭心症を引き起こす確率が高いのです。
この、、、
コレステロール値、血圧、血糖値、喫煙、年齢などの危険因子は、10年後に「心筋梗塞」や「狭心症」などで死亡する確率が高くなるのです。
研究の概要とは?!
平均年齢45歳の健常な男性を対象に試験を開始。
180gのレトルトカレー、またはスパイスを含まない食品200gとお米を食べてもらう(合計500kcal)。
食べた後の血管内皮機能FMD指標を比較し、あわせて全身と上腕の血行動態や各種生体科学指標も測定
というもの。
血管内皮機能が正常であれば、血管が柔軟に拡張し、血液がサラサラに流れると考えられます。
一方、血管内皮機能が低下すると、動脈硬化が発生しやすく、また悪化もしやすくなると考えられています。
血圧測定と同様に一時的に腕の血流を止めた後に、血管の拡張率をFMD値として求めます。
FMD値は、数値が高い方が血管がしなやかに拡張でき、血管内皮機能が健康であると言えます。健常値の目安は6%以上で、5%未満で血管内皮機能障害が疑われます。
結果は、以下のグラフです。

グラフを見れば、一目瞭然です。
カレーを食べた人の血管内皮機能がだんぜん優位になっています。
これは、、、
酸化ストレスの増大によると考えられる食後の血管内皮機能低下が、カレー摂取後では見られず、血管内皮機能が改善するが分かりました。
血管内皮機能傷害は脳卒中や心筋梗塞といった動脈硬化疾患の原因になることが知られており、カレーの摂取は健常人の心血管の健康に役立つ可能性が考えられます。
今後は、カレーの血管内皮機能改善効果のメカニズム解明等を行いたいと考えています。
ハウス食品と広島大病院の東幸仁教授(循環器内科)グループの共同研究より

カレーを長年よく食べる人ほど認知機能が良好に
抗酸化力の高い「カレー」を食べると動脈硬化を予防できるということが判明しました。
それに加えて、、、
カレーを長い期間にわたって食べていると、良好な認知機能が得られることも分かりました。
これは、東京大学:五十嵐中客員准教授、二松学舎大学:小久保欣哉准教授とハウス食品グループの共同研究の話です。
以前から、シンガポールの疫学研究では、「カレー摂食頻度の高い高齢者で認知機能が良好に保たれている」ということは分かっていましたが、これは地域的な理由や人種的な原因かもしれず、私たち日本人ではどうなのか?
という疑問がありました。
今回の研究で、、、
日本人もカレーを長年よく食べる人ほど認知機能が良好になることが判明したのです。

研究の概要とは?!
どのような研究かというと、、、
プレスリリース:日本人の中高齢者で、カレーの長期的かつ頻繁な摂食と良好な認知機能との関係を確認より
50歳以上の一般的な生活者を対象にして、「調査直前1年間」(短期)と「成人以降で調査1年前まで」(長期)のカレー摂食頻度について、認知機能との関係を調査。

調査直前1年間のカレー摂食頻度に基づき、、、
- 高頻度群月2回以上(1002人)
- 低頻度群月2回未満(1002人)
そして、以下を調査しました。
- 性別
- 年齢
- Body Mass Index
- Charlson Comorbidity Index(併存疾患の指数)
認知機能の測定には、認知症の総合的アセスメントツールであるDASC-21を仕様
調査結果は
調査結果は、下のグラフを見ると、、、
認知スコアが、月4回以上カレーを食べるの人のスコアが良くなっています。

また、、、
短期のカレー摂食頻度「高頻度群(月2回以上)」だけ、または「低頻度群(月2回未満)」だけでも同様の解析を行いました。
高頻度群においても、長期の摂食頻度が「月1回未満」より「月1回」で有意に認知機能が良好であることが分かりました。
さらに、、、
一方で、低頻度群では長期のカレーの摂食頻度と認知機能との間に関係が見られませんでした。長期のカレー摂食頻度と認知機能との関係については、短期のカレーの摂食状況も重要であることが分かりました。
プレスリリース:日本人の中高齢者で、カレーの長期的かつ頻繁な摂食と良好な認知機能との関係を確認より
まとめとして
カレーは、日本国民のほとんどが大好きです。
このカレーが、抗酸化力の高い食べもので、動脈硬化を予防できるとか認知機能を良好にするというのは、さらにダブルで嬉しい研究結果でした。
カレーに含まれているターメリック、クミン、フェヌグリークさらにコリアンダーなどのスパイスも少なからず大きな影響をもたらしていることが分かります。
カレーの研究が進めば、さらに良い論文が出てくることでしょう。
それまで、カレーをよく食べて長生きしましょう。

ではでは。
参考にしたサイト
プレスリリース:日本人の中高齢者で、カレーの長期的かつ頻繁な摂食と良好な認知機能との関係を確認
医学ボランティア会:日本人の1/3の死因が「動脈硬化」
ハウス食品と広島大病院の東幸仁教授(循環器内科)グループの共同研究
ハウス食品グループ:カレーが健康に及ぼす良い影響についての研究
![]() | あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。 |