女性に多い浮腫(むくみ)のメカニズムを知ることで【予防と対策を】

浮腫(むくみ)のメカニズム

男性の4倍も悩んでいる浮腫(むくみ)とは

仕事から帰って、足をみたら「パンパンにむくんでいる」といった経験があると思います。特に立ち仕事の人には多いのが、この「むくみ」です。

一過性のものなら、一晩経つと元に戻りますので、生活に支障をきたすというところまでではないですが、

むくんでいると、身体はだるいし、足も重いです。

むくみ
むくんでいると、身体はだるいし、足も重いです。




浮腫(むくみ)になる仕組みは

多くの女性が「むくみ」に悩んでいますが、その「むくみ」の仕組みに関しては、あまり知られていないように思えます。何となく「なんだか、水がたくさん溜まっているな」って感じですませているのでは。

そこで、なぜ「むくみ」は起きるのかの仕組みが分かれば、対策も予防もしやすいと思いますので、その仕組みをご説明します。

人の身体は、半分以上が水分

私たちの身体の約60%は、水分が占めています。赤ちゃんは、70%以上も水分です。

人の身体は、半分以上が水分

この、、、

人に占める約60%の水の3分の2は、細胞の中に含まれる水で「細胞内液」といい、残りは「細胞外液」といって、血液に含まれる水分や細胞と細胞の間を満たしている水分と血漿やリンパのように血管やリンパ管や体腔、結合組織、骨に存在する水分です。

なぜこんなにも水分が多いかというと、、、

細胞に栄養や酸素を送り込んだり、老廃物や二酸化炭素を回収したりする仕事のために水分は働いています。

さらに、、、

細胞や血管の中を移動することで体内の水分バランスを保つ役割を担っています。

腎臓

しかし、、、

さまざまな原因によって、体内の細胞や細胞間の水分バランスが崩れてしまうことがあり、細胞と細胞の間に水分が溜まったり、以上に増加したのが「むくみ」といわれるものです。専門用語で【浮腫(ふしゅ)】といいます。



浮腫(むくみ)は、どこで起きるのか

「むくみ」という言葉は俗称です。

この、、、

パンパンに腫れてくる浮腫(むくみ)は、どこで起きているのかというと、専門的には、「間質(かんしつ)」という場所です。これは、細胞と細胞の間にある隙間の部分。間質は、水分で満たされています。その水分のことを[間質液]とか組織液といいます。この間質液が異常に増えたら【浮腫(むくみ)】になります。

むくんだ皮膚の状態
間質液でいっぱいになってむくんだ状態

下のイラストは、毛細血管のイラストです。

心臓から出てきた新鮮な血液は、栄養や酸素を細部の毛細血管まで送り届けます。そして帰りには、静脈を使って、老廃物や二酸化炭素などのゴミを持ち帰ります。

毛細血管
毛細血管

この毛細血管は、本当細くて赤血球が1列に並んでようやく通れるような細さです。そして、赤血球や大きなタンパク質(アルブミン)は通れない小さな孔(小孔)が空いています。

また、、、

血液やリンパと、間質の間では、たえず水の移動が行われて一定に圧力は保たれています。どうやって、水の移動が可能になっているかというと、血管内圧、血漿膠質浸透圧です。

  • 血 管 内 圧:血管内の水分を間質に移動させる力として働き
  • 血漿膠質浸透圧:間質の水分を血管内に移動させる力として働き
  • 動脈側では、血管内圧が血漿膠質浸透圧より大きいので、水が血管から間質に移動します。
  • 静脈側では、血漿膠質浸透圧が血管内圧より大きいので、水は間質から血管に移動します。

そして、間質液の一部はリンパ管にも吸収されており、間質の水分が増加した場合には、リンパ管への吸収量が増加します。

このように、水分の流れは、一定に保たれていますが、これに障害が起こると間質に水分が溜まってしまい浮腫(むくみ)が起こることになります。

足のむくみ
浮腫(むくみ)が起きるメカニズム
アルブミンの働き

毛細血管の壁は、半透膜でできています。

これは、物質によっては、毛細血管壁を通れるものと通れないものがあるということ。

毛細血管壁を通れるものは、グルコース(糖)や水、酸素、脂肪、ホルモンや電解質、薬物成分などの小さな分子。

毛細血管壁を通れないものは、分子の大きなタンパク質。その代表格が「アルブミン」。

このアルブミンが、水の移動に際して重要なカギになります。

まず、アルブミンは、血管の中には多く存在していますが、血管の外では少ないのが特徴です。そしてアルブミンは、血管の壁を通り抜けすることはできません。

ですから、血管の中と外の濃度を一定に保つには、水が移動することによって内圧を保っているのです。これを[膠質浸透圧]とよびます。

アルブミンの機能

アルブミンは、血漿タンパク質の60%〜70%を占めており、血漿の中でもっとも濃度が高いタンパク質です。このアルブミンは、カルシウムや亜鉛、銅などの微量元素や遊離脂肪酸、ステロイドホルモン、ビリルビンなどと結合して、これらの物質の運搬役も果たしています。

このアルブミンが存在することによって生じる圧力で細胞から出たゴミを回収しています。

[膠質浸透圧]は、血管内のどこでも25mmHg(ミリメートルエイチジー)になっています。




血管の内圧が高くなると、どうして浮腫(むくみ)が起こるのか

血液は、心臓から出発して動脈を通り、毛細血管に至ります。帰りは、毛細血管から静脈を通り再び心臓に帰ってきます。これが、普通の状態です。

が、、、

何らかの障害が起こると、血液は、帰りの静脈で停滞するようになります。すると、静脈では上手く血液が流れないので、血管内の圧力が高くなっていくのです。

すると、、、

移動できない水分は、間質にとどまることになり、浮腫(むくみ)が発生するというわけです。

低蛋白血症による血漿膠質浸透圧低下とは

ほぼアルブミンによって血漿膠質浸透圧は、保たれているといいましたが、この蛋白質が減少すると圧力も低下することになります。すると、間質から血液を移動させるパワーが弱くなり、間質に水分が溜まってしまうようになります。

また、、、

肝硬変になったときにも浮腫(むくみ)や腹水が起こりますが、これも低蛋白血症による血漿膠質浸透圧の低下が関係しています。アルブミンは、肝臓で作られますが肝硬変は幹細胞が減少するため、食べ物から摂取した蛋白質をアルブミンに作り替える肝臓の働きが弱まってしまい、血漿の蛋白質が減ってしまうので、浮腫(むくみ)や腹水が発生するというわけです。

膠質浸透圧
膠質浸透圧の低下



塩分が溜まると浮腫(むくみ)を起こす

『塩分の取り過ぎ』も浮腫(むくみ)と深い関係があります。

厚生労働省が推奨する1日当たりの食塩摂取目標量の目安は、男性が8g未満、女性で7g未満となっていますが、食塩摂取目標量にいたっていないのが現状です。

それは、、、

ハム、ウインナーなど塩分を使用した加工食品を摂取することが多く、外食やコンビニ食が続くと、必然的に塩分の摂取量が増えます。

汗は、塩辛いですが、その仕組みは、糸球体で血液中の水分とナトリウムが濾過されて出ていきます。尿も同じで、糸球体で濾過されて一部が尿細管で再吸収された後は、尿として出ていきます。

この、、、

糸球体が濾過する機能に障害が起きたり、水分とナトリウムの再吸収が増加すると、水分とナトリウムが尿として体外に排泄できなくなります。こうなると循環する血液の量が増えることになり、血管内の圧力が高まって、浮腫(むくみ)を起こします。

汗の仕組み
汗の仕組み


















浮腫(むくみ)の予防と対策

浮腫(むくみ)解消法

ストレッチで浮腫(むくみ)の対策

浮腫(むくみ)は、血液やリンパ液などの体液が停滞することで発症します。この停滞した体液を手早く流し流れを生んでくれるのが、ストレッチです。

ストレッチでは、むくんでしまった足を動かすことで浮腫(むくみ)を改善していきます。凝り固まった筋肉や関節を和らげましょう。

筋膜リリースもおすすめです。以下の記事では、詳しく解説しています。

かかと上げ下げ運動
かかとを上げ下げするエクササイズ
足首運動
足首を動かすことも効果的



マッサージで浮腫(むくみ)の対策

むくんだ足を優しく手でマッサージすると血液やリンパの流れを良くしてくれます。

マッサージのポイントは、、、

心臓から遠い部分から近い部分に向けて流すこと。

たとえば、、、

>足のむくみを取る場合は、足先からももに向かって行います。足の付け根や関節まわり、そして足首と膝の裏は、むくみやすいので集中的にマッサージしてください。

むくみ マッサージ
足をマッサージ





入浴で浮腫(むくみ)の対策

お風呂に入ることは、血中をよくしてくれます。また、お風呂の水圧によって適度な力が身体にかかるので、体内で停滞している水分を流すように促してくれます。お風呂は、ストレスも解消してくれますが、同時に身体の流れも解消してくれます。

時間が取れないという方には、シャワーもおすすめです。シャワーから流れる勢いのあるお湯でマッサージ効果が生まれます。

お風呂
入浴で浮腫(むくみ)の対策





足上げで浮腫(むくみ)の対策

浮腫(むくみ)は、とくに足に起こることが多いです。横になってむくんでいる足を上げることで解消で来やすくなります。重力によってむくんでしまった足を逆に心臓から上に上げることで流れが生じ、むくみを解消します。

足上げ





カリウムを摂ることで浮腫(むくみ)の対策

「ナトリウム(塩分)」と、カリウムがバランスを取り合って、血圧や水分を調節しています。

そして、、、

カリウムは、細胞内で最も多い多量ミネラルです。そして、カリウムは、ナトリウムと共同して働くことが多く、カリウムとナトリウムは、『ブラザーイオン』と呼ばれています。

また、、、

カリウムには、ナトリウムを尿として体外に排出する働きがあります。おもだった食材は、バナナやリンゴ、メロンなど。ほかに野菜や果物に多く含まれるので、積極的に摂るようにしましょう。

バナナ
カリウムを多く含んでいるバナナ




浮腫(むくみ)の予防

普段から身体を動かすことで浮腫(むくみ)を予防する

適度な運動は、血行を良くしてくれますから、むくみ予防には最適です。また、普段から適度に汗をかくような運動を心がけておくと、血流は良くなるし、お肌にも良いです。良い汗をかくことは内臓の働きも活発にしてくれるのでおすすめです。

また、普段から運動することで体温も上昇しますから、病気にもならない丈夫な身体になります。



塩分を控えることで浮腫(むくみ)を予防する

私たちの身体内部の塩分は一定に保たれています。塩分濃度の濃い食物を摂っていると、身体は塩分濃度を一定に保とうとして、水分を溜め込みます。これも浮腫(むくみ)の原因になりますので、塩分を摂り過ぎないことが大切です。

カリウムとナトリウムの深い関係の『ブラザーイオン』を紹介しましたが、むくみやすい人は、カリウムが多く含まれている食材を摂ることをお勧めします。

塩 盛り塩

注意点として、、、

加工肉や加工食品には、精製塩が大量に使用されていることが多いので食品表示をしっかり見てから判断して購入してください。

弾性ストッキングで浮腫(むくみ)を予防する

立ち仕事をしている方々の間で話題となったのが、[弾性ストッキング]。この弾性ストッキングは、ふくらはぎや足首を圧迫することで、足に溜まりやすい血管やリンパ管を刺激してくれます。




アルケア アンシルク・3 弾性ストッキング 足首の圧迫圧(40hPa/30mmHg) 18633 ブラック M




ゆるい服装で浮腫(むくみ)を予防する

がっちりと締め付ける服はご用心です。たとえば、きつく閉めるブラジャーやガードルは血行を妨げます。ですから、身体を締め付けないゆるい服装は、浮腫(むくみ)になりやすい人にはおすすめします。

服装
ゆるい服装で浮腫(むくみ)を予防




浮腫(むくみ)のその他の予防法

あと、浮腫(むくみ)の予防として羅列します。

  • 身体を冷やさない
  • 冷たい飲みものや食べものを控える
  • 足首手首など「首」と名のつく部位を冷やさない
  • 温かいものを食べるようにする
身体を冷やさない
















ではでは。