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[熱中症対策]のどが渇いた時ではもう遅い。飲んでも体に浸透するのに20分はかかります。意識して積極的に水分補給を。

Woman drinking water from a plastic bottle outdoors
あいがとや商品

のどが渇いた状態とは、体内の水分が1%相当失った状態

前回の記事では、熱中症対策として『経口補水液』を手作りしましょう。

という内容でお伝えしました。

熱中症からあなたの命を救う経口補水液。酷暑の時期は常に携帯して欲しい。命の水「経口補水液」

今回は、さらに深掘りして、

水分補給の大切さについて、記事にします。

体内の水分が1〜2%相当失われた状態では既に遅い。

私たちの体の60〜70%は、水分です。

たとえば、、、

体重が60kgの人の場合、36~42リットル程度の水分となります。

このうち、、、

体内の水分が1〜2%相当失われると「のどが渇いた状態」になります。

これは、口渇中枢が刺激されて喉の乾きを感じるようになるためです。

体内の水分が1〜2%相当失われると「のどが渇いた状態」になる

体重が60kgの人の場合、400ccほどの水分が失われるとのどが渇く状態になるのです。

これは、牛乳2本分より少し少ない量の水分です。

これほどの量の水分が体内から出てしまうと、同量の水分を補給するのは大変困難なことです。

それは、、、

水分を摂っても身体が吸収できるまでに20分程度時間がかかるから

です。



さらに、、、

のどが渇いた状態を放って、身体の3%相当の水分が失われると、脱水症状が起こります。

身体の3%相当の水分が失われると、脱水症状が起こる。

脱水量とその症状とは

1〜2%発汗、のどの渇き。運動能力の低下
3%強い乾き・食欲不振。ぼんやり。
4〜5%皮膚の紅潮。体温上昇。頭痛など。
8〜10%意識障害。けいれん。
10〜20%無尿。死亡。

脱水状態とは、血液中の水分も失っている状態なので血液はドロドロ状態になってしまいます。

熱中症が猛威をふるう酷暑の時期は、こまめな水分補給を

繰り返しますが、、、

体から水分が1%相当失われて喉の渇きが出てきますが、その時点で補給したとしても体内に十分な水分が得られるには20分という時間がかかるのです。

春や秋などの気候が良い時は問題ではないかもしれませんが、、、

体温と同様レベルの外気温36℃などを記録する酷暑の時期は、意識的に注意して水分補給を行う必要があります。

水分補給を行うための注意すること

酷暑では、意識的に注意して水分補給を行う必要があります。

水分補給は非常に大切です。
以下の5つのポイントに留意してください。

  1. 水分補給は、1度にたくさん摂らずに、少しずつこまめに
  2. のどが渇いてからではなく、ある程度時間を決めて飲むこと
  3. 利尿作用のあるコーヒーなどのカフェインやアルコールは避けること
  4. 薬には利尿作用があるのがあり、服用している人は注意が必要
  5. 塩分濃度の高い飲み物は、高血圧症の人は避けること

以上のことは、一般的なことですが注意を払う必要があります。

とくに時間を決めて水分補給を行うのは、とても効率的です。

たとえば、、、

水分を補給する目安として、起床時、お食事前や後、入浴時、就寝時や食間など

ことあるごとに、水分を補給する習慣を身につけると良いでしょう。

経口補水液は、『飲む点滴』

前回の記事で取りあげた熱中症からあなたの命を救う経口補水液。酷暑の時期は常に携帯して欲しい。命の水「経口補水液」のことを農水省では、以下のように説明しています。

経口補水液とは?
経口補水液は、水にナトリウムなどのミネラルとブドウ糖を一定の割合で配合した飲料です。
体液とほぼ同じ浸透圧のため、吸収率・吸収速度が非常に高く、「飲む点滴」とも呼ばれています。

さらに、、、

スポーツドリンクに比べて糖分が少なく塩分が多く含まれています。 暑さや発熱などで大量に汗をかいた時や、下痢や嘔吐による脱水症状が出たときの水分補給には、経口補水液が適しています。
経口補水液を一時に大量に飲むと、ナトリウムの過剰摂取になる可能性もありますので、腎臓、心臓等の疾患の治療中で、医師に水分の摂取について指示されている場合は、指示に従ってください。

また、熱中症対策では同じページで、、、

汗の99%は水分ですが、その中に微量なミネラル類も含まれています。 その中で最も量が多いのはナトリウムで、熱中症が疑われる時の対策として、水分と一緒に塩分も補給することが重要です。

農林水産省:熱中症対策には、水よりスポーツドリンクを飲むとよいと聞いたのですがどうしてですか。また、経口補水液との違いも教えてください。より

水分不足で起こる脳梗塞、心筋梗塞

水分不足から熱中症が心配されますが、、、

熱中症以外でも、水分不足で起こる脳梗塞、心筋梗塞に注意が必要

です。

脱水状態になと、血液はドロドロ状態になり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。

前述のように・・・

脱水状態に陥ると、血液の中の水分も減少することで血液はドロドロ状態になります。
これが影響して脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。

血液はドロドロ

また、、、

厚生労働省のホームページでは、以下のような指導があります。

目覚めの一杯、寝る前の一杯。
私たちが生きていくために「水」は欠くことのできない存在ですが、その摂取量が不十分であることによる健康への障害が多くの悲劇を引き起こしています。
児童生徒等を中心にスポーツなどに伴う熱中症による死亡事故は後を絶ちません。
また、中高年で多発する脳梗塞・心筋梗塞なども水分摂取量の不足が大きなリスク要因のひとつとなっています。これら脱水による健康障害や重大な事故などの予防には、こまめな水分補給が効果的です。

厚生労働省:「健康のため水を飲もう」推進運動より

さらに、昭和の時代に良くいわれていた誤った常識にも警鐘を鳴らしています。

「運動中には水を飲まない」などの誤った常識をなくし、正しい健康情報を!

目覚めの一杯、寝る前の一杯

熱中症は、大まかに3つに分かれます。

それは、、、

  • 熱失神・熱疲労(熱ひはい)
  • 熱けいれん
  • 熱射病
熱失神・熱疲労(熱ひはい)すみやかに涼しい場所に移動し、水分を補給を。
熱けいれんすみやかに涼しい場所に移動し、スポーツドリンクや生理食塩水などを補給を。
熱射病緊急事態です。身体を冷やしながら病院へ運ぶ必要あり
全国清涼飲料連合会: 1日の水分補給量は1.3リットルより

熱中症対策に、水分補給だけでは逆効果に・・・

夏場などの炎天下での作業などで、大量の汗をかいた時に単なる水を補給しただけでは脱水症状が改善しないことがあります。

水だけ飲んでも脱水症状が改善しない自発的脱水

この、、、

水分だけを摂っても脱水症状が改善しないことを「自発的脱水」といいます。

自発的脱水とは
発汗で失われた体液量が回復していないのに、喉の渇きがなくなり、自覚症状もなくなります。
同時に余分な水分を尿として排泄するため、汗をかく前の体液を回復できなくなり、運動能力が低下し、体温が上昇していきます。
そのままの状態で作業を継続してしまうと、脱水状態が進行して、熱中症の原因となります。これを自発的脱水といいます。

大量の水分摂取が危険「水中毒」のこと

最後に、水分補給は大切ですが、飲み過ぎは危険なので注意が必要です。

水中毒とは?
過剰な水分のみを摂取することによる症状の事です。
水分を補おうと大量の水だけを飲むことによって、血液中の塩分濃度(ナトリウム)が急激に低下し、「低ナトリウム血症」の状態になることが水中毒の原因です。

過剰な水分のみを摂取することによる症状の事です。 水分を補おうと大量の水だけを飲むことによって、血液中の塩分濃度(ナトリウム)が急激に低下し、 「低ナトリウム血症」の状態になることが水中毒の原因です。

私たちの体には、約0.9%の食塩水と同じ浸透圧の血液が循環しています。
血液中のナトリウムイオンの正常値は、約135~145mEq/l(mEq/lは電解質の濃度を表す単位)です。
それが135mEq/l未満に低下していくと低ナトリウム血症、120mEq/L以下になると重症と診断されます。

  • 130mEq/l=軽度の疲労感、息切れ、めまい、手足のむくみ
  • 120mEq/l=頭痛、吐き気・嘔吐、精神症状
  • 110mEq/l=性格変化、けいれん、意識障害、昏睡
  • 100mEq/l=神経伝達が阻害され、呼吸困難などで死亡

九州ワーク株式会社:自発的脱水と水中毒〜危険な暑さから身を守る!より

 





ではでは。

 





参考にしたサイト
農林水産省:熱中症対策には、水よりスポーツドリンクを飲むとよいと聞いたのですがどうしてですか。また、経口補水液との違いも教えてください。
厚生労働省:「健康のため水を飲もう」推進運動
厚生労働省:「職場における熱中症予防対策マニュアル」
全国清涼飲料連合会: 1日の水分補給量は1.3リットル
アクアクララ:異常に喉が渇く原因は?適切な水分補給の方法をご紹介
カルシウム相談室:熱中症とカルシウム!水分の補給だけでは危険すぎる理由
九州ワーク株式会社:自発的脱水と水中毒〜危険な暑さから身を守る!

 





 





 





 





タロ

久永 広太郎(ヒサナガコウタロウ)

あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。