国民病といわれる不眠症:大人の20%が慢性的な不眠を感じている
国民病といわれる不眠症とは何か
布団やベッドに入って、眠ろうとしても眠れないことは、誰でも経験があると思います。だいたいそんな時は、明日運動会とかイベントとか会議の発表とか、または心配ごとがあるなどの理由で眠れなくなることがあります。
- 日本では、5人に1人が不眠の症状で悩んでいます
- 睡眠で休養が取れていない
- 何らかの不眠がある
ですが、不眠症とは、、、
- 眠れない問題が1ヶ月以上続く
- 日中に倦怠感や集中力が低下する、意欲がない、食欲もない
などの不調が出てくる病気のことです。
不眠症は、子どものころや青年のころはまれですが、20〜30代から増えて、中年や高齢になるにつれて急激に増えていきます。
- 60歳以上では約3人に一人が睡眠問題で悩んでいる
- 60歳以上の不眠で悩み、20人に1人が通院して【睡眠薬】を服用している
そして、、、
- 不眠症は、男性よりも女性に多いといわれています
女性に多い国民病の不眠症は、病気です
多くの不眠の場合は、数日から数週間すれば、また眠れるようになります。しかし、不眠症の場合は、不眠の問題が1月以上も続くので、病気といえます。
不眠症の場合は、こんな症状が出ます。
1月以上も眠れない状況が続くと、日中にさまざまな心や体に不調がでるようになります。
たとえば、、、
- 倦怠感・意欲低下・集中力低下・抑うつ・頭重・めまい・食欲不振など
多くの障害が発生します。
- 長期間にわたり夜間の不眠が続く
- 日中に精神(心)や身体の不調を自覚して生活の質が低下する
この2つが認められたとき不眠症と診断されます
不眠症にはいろいろなタイプがある
不眠症は、4つのタイプに分けられます。
不眠症 | |
入眠障害 | 寝つきの悪い。(30分~1時間以上)眠りにつけない |
中途覚醒 | いったん眠りについても、眠りが浅く途中で何度も目が覚める |
早朝覚醒 | 早朝に目が覚めてしまう。起きる時間の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない |
熟眠障害 | ある程度眠ってもぐっすり眠れたという満足感(休養感)が得られない |
睡眠時間は、問題にならない
不眠症の問題は、睡眠の長さが問題ではありません。
問題は、、、
- 不眠症は、眠れないことよりも、起きている日中にカラダやココロに不調を生じることが問題
多くの人は平均して7時間程度ですが、人にはさまざまなタイプがいて、「3時間寝ても平気な人」や「10時間寝ても寝たりない人」など多くのタイプがいます。
また、中途覚醒や早朝覚醒は、加齢とともに増えてきます。
ですから、「眠りが浅いな」と感じても、、、
起きている日中に、生活に支障がなければ、不眠症とは診断されません
なので、睡眠時間の長さや夜間に起きた回数などにこだわる必要はありません。
女性に多い国民病の不眠症の原因は
眠れなくなる原因を考えると多くあります。
たとえば、、、
国民病の不眠症の原因は | |
環境の要因 | 時差がある場所、枕が変わる、また暑さや騒音、明るさなどの影響など |
身体の要因 | 年齢、性差、頻尿、痛み、かゆみなど |
心の要因 | 悩みやイライラ、極度の緊張からの精神的ストレス、睡眠に対するこだわりなど |
生活習慣の要因 | アルコール、ニコチン、カフェインの摂取、薬の副作用、運動不足など |
不眠症の原因は、あらゆる方面から原因が考えられます。
こんなタイプは、専門施設で検査が必要です
以下のような不眠で悩んでいる不調の場合は、専門的な治療が必要です。
- 睡眠時無呼吸症候群
- レストレスレッグス症候群
- 周期性四肢運動障害
- うつ病による不眠や過眠
これらの特殊な睡眠障害には、それぞれの治療法があります。通常の睡眠薬では治りません。このような症状で悩んでいる場合は、以下のアドレスに相談してください。
- → 日本睡眠学会
以下の表は、厚生労働省のホームページから、抜粋。
ストレス | ストレスと緊張はやすらかな眠りを妨げます。神経質で生真面目な性格の人はストレスをより強く感じ、不眠にこだわりやすく、不眠症になりやすいようです。 |
からだの病気 | 高血圧や心臓病(胸苦しさ)・呼吸器疾患(咳・発作)・腎臓病・前立腺肥大(頻尿)・糖尿病・関節リウマチ(痛み)・アレルギー疾患(かゆみ)・脳出血や脳梗塞などさまざまなからだの病気で不眠が生じます。また睡眠時無呼吸症候群やムズムズ脚症候群(レストレスレッグス症候群)など、睡眠に伴って呼吸異常や四肢の異常運動が出現するために睡眠が妨げられる場合も珍しくありません。 不眠そのものより背後にある病気の治療が先決です。原因となっている症状がとれれば、不眠はおのずと消失します。 |
こころの病気 | 多くのこころの病気は不眠を伴います。近年は、うつ病にかかる人が増えています。単なる不眠だと思っていたら実はうつ病だったというケースも少なくありません。「早期覚醒」と「日内変動(朝は無気力で夕方にかけて元気がでてくる)」の両方がみられる場合には早めに専門医を受診してください。 |
薬や刺激物 | 治療薬が不眠をもたらすこともあります。睡眠を妨げる薬としては降圧剤・甲状腺製剤・抗がん剤などが挙げられます。また抗ヒスタミン薬では日中の眠気が出ます。コーヒー・紅茶などに含まれるカフェイン、たばこに含まれるニコチンなどには覚醒作用があり、安眠を妨げます。カフェインには利尿作用もあり、トイレ覚醒も増えます。 |
生活リズムの乱れ | 交替制勤務や時差などによって体内リズムが乱れると不眠を招きます。現代は24時間社会といわれるほどで昼と夜の区別がなくなってきていますから、どうしても睡眠リズムが狂いがちです。 |
環境 | 騒音や光が気になって眠れないケースもみられます。また寝室の温度や湿度が適切でないと安眠できません。 |
厚生労働省:e-ヘルスネット > 不眠症
国民病といわれる不眠症への対処方法とは
不眠症への対処法として、不眠の原因の問題を取り除きセルフケアを
不眠になってしまう原因は、さまざまありました。自分がどんな原因で不眠なのかを追求して、自分なりの工夫をすることで安眠を得られる用になります。
就寝・起床時間を一定にしてリズムを作る
いわゆる体内時計で、1日をリズミカルに行動すれば、睡眠障害も解決に向かいます。
人の体内時計の周期は約24時間10分といわれていて、1日24時間と比べてずれがあります。このずれを修正できなくて生活が乱れてしまい睡眠障害が起こることを【概日リズム睡眠障害】と呼びます。
ですから、、、
- 毎日、同じ時刻に寝て、起きる習慣を身につけることが大切です
睡眠時間にこだわらないこと
「睡眠時間にこだわらない」ことは、先に述べましたが、睡眠時間の長さには個人差があります。
どうしても布団に入って眠れないときは、寝るのをあきらめて床からでましょう。ボートしばらくするのもよいです。決して、スマホを観ないでください。逆効果になります
昼寝をする場合は、30分程度にとどめてください。そして、その昼寝も午後3時前までにすること。
陽を浴びること
お日様の陽を浴びることは、体内時計を調節する働きがあります。陽を浴びると、14時間以降に眠気が生じてきます。
- 早朝に光を浴びると夜は比較的早く眠くなり、また、早朝に起きられるようになるので「理想の1日」ができるようになります。
夜に強い照明を浴びすぎると、体内時計が乱れるので控えるようにしてください。
軽い運動は、眠りを生み出す
適度な運動をすると、心地よい眠りを生み出してくれます。
- 運動は、早朝や朝行うとまだ血液がドロドロの状態なのでおすすめしません。体温が一番高くなる午後3時過ぎあたりがおすすめです
注意したいのは、激しい運動です。寝つきを悪くしますから逆効果。短期間の集中的な激しい運動よりも、ほどよい有酸素運動を少し長く継続すると効果的です。
ストレスをためないことは快眠につながる
あなたの好きなことをやることでストレスは解消されます。読書でもよいし、ストレスを上手に取り除くことで、気分転換にもなります。
- ストレスは、眠りにとって大敵です
寝る前のリラックスタイムは、上質な睡眠をつくります
ストレス解消にもなるお風呂は、寝る前がおすすめです。低体温も解消されて、質のよい睡眠が得られるようになります。
- 副交感神経を優位にさせて、ぐっすりお休みください
寝酒はダメです
「眠れないから、寝酒の一杯」などと耳にしますが、これは逆効果。お酒を飲むと眠れるように思えますが、それは短期間だけです。不眠の対策にはお酒はむきません。
- お酒を飲むと深い眠りが減ってしまい、早朝覚醒が増えます
快適な寝室を作りましょう
1日のうち約8時間ぐらい過ごすのが寝室です。3分の1日。こんなにも多くの時間を過ごす寝室は大切な環境です。
ですから、、、
- 自分の好きな寝室の空間作りが大切です
眠れないことへの恐怖を断ち切る
不眠症になると、「明日の日中も眠くて仕事に差し障るから早く寝なきゃ」とついつい焦ってしまい、それが原因で、ますます目が冴えてきます。多くの不眠症に悩んでいる人たちは、この【不眠恐怖】と戦っています。
- 眠れない恐怖から、夜になるのが憂鬱になったり
- 眠れないから、寝床が向かうだけで緊張したり
と、滅入ってしまいがちです。
眠れないときは、きっぱりあきらめよう
こんな時は、きっぱり寝るのをあきらめて、少しの時間あなたの趣味などをやってみることで、逆によい睡眠を得られることもあります。
そして、翌日、少しでもカラダを動かせば、翌晩よい睡眠を得られることもあります。
こんな時は、NEAT(ニート)を活かしましょう。
不眠が改善しないなら、専門医に相談しよう
いろいろと工夫してみても快眠を得られないようならば、専門医に相談してください。
- 不眠症は、精神かや心療内科で診てもらえます
精神科へ行くのが億劫な場合は、かかりつけのお医者さんに相談してからでもよいです。眠れない悩みを打ち明けて相談するだけでも、あなたの負担が軽くなると思います。
眠れないことをくよくよ悩むこと自体が、不眠症を悪化させる原因になるかもしれません。
睡眠薬も1つの方法
睡眠薬と効くと、ヤバイのかもという人もいるかもしれませんが、現在使用されている睡眠薬は、副作用も少なく、安心に使えるようです。市販薬で不眠を解消しようとせずに、専門医から処方される薬を使ってください。
ではでは。
あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。 |