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じつは、寝つきのいい人は睡眠不足。脳の老廃物「βアミロイド」が溜まると認知症を発症する。

健康豆知識

歳を重ねるごとに睡眠は減少していく

現代人は、忙しく動いているので睡眠不足に陥っている人がかなり多いのをご存じだと思います。

睡眠は、脳の疲れを取り除き体を修復してくれる大切なもの

なのです。

2019年厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、、、

6時間未満の睡眠不足の割合は

  • 男性:37.5%
  • 女性:40.6%

また、、、

睡眠全体の質に満足できなかった

  • 男性:21.6%
  • 女性:22.0%

日中に眠気を感じた

  • 男性:32.3%
  • 女性:36.9%
6時間未満の睡眠不足の割合男性:37.5%

加齢とともに、次第に睡眠時間は少なくなる

日本人の平均睡眠時間は、およそ7時間といわれています。

しかし、年齢を重ねるごとに睡眠時間は減少していきます。

研究データでみると、、、

25歳からは20年ごとに30分程度の割合で睡眠時間は減少する

という論文があります。

(Ohayon MM, et al.: Sleep 2004; 27: 1255-1273)

それは、、、

  • 25歳:約7時間
  • 45歳:約6.5時間
  • 65歳:約6時間

自分が睡眠時間が足りているか調べてみる

「ナショナルジオグラフィック日本版」で紹介されていた記事ですが、、、

各個人の「潜在的睡眠不足」を確かめる方法があります。

それは、、、

目覚ましをかけずにカーテンをしっかりと閉めて寝ます。もしくはアイマスクや耳栓をしても大丈夫。そして普段どおりに睡眠をとります。
途中で目が醒めてもまた眠ります。
そして「もうこれ以上眠れない」という段階まで眠り続け、その睡眠時間が過去の1週間の平均した睡眠時間よりも3時間以上長いようであれば、すいみんぶそくがしょうじているかのうせいがある。

というものです。
ナショナルジオグラフィック日本版:眠くない寝不足「潜在的睡眠不足」の怖さ

ぜひ、自分が睡眠不足かどうか調べてみてください。

もし、、、

睡眠不足ならば、気がつかないうちに体が蝕まれていきますので注意が必要です。

じつは、怖い睡眠不足

 





睡眠不足が招く、脳のゴミ増加と認知症

睡眠不足が招く、脳のゴミ増加と認知症

テストの前日に一夜漬けで勉強してもより良い点数は取れません。
じつは、テストの前日にはしっかりと7時間以上の睡眠をとることで良い成績が得られるといった話は良く聞かれます。

これは、、、

十分な睡眠と取った方が脳の活性が良くなる

という証左です。

このように、、、

脳は、十分な睡眠を得ることで眠っている間に記憶を整理したりして毎日アップデートしている

という訳です。


また、このような実験データもあります。

正確にタイピングする実験では、睡眠不足状態で行うよりも睡眠をとった後の方が良い成績を得られた

というデータです。

これは、如何に睡眠不足状態だと体がよいパフォーマンスを発揮できないということです。

寝不足だとパフォーマンスが著しく低下する



また、、、

16時間以上も眠らないでいる脳は、酔っ払っている時の脳の状態まで低下している

ことが、判明しています。

16時間以上の睡眠不足は、酔った脳と同じ状態に・・・

睡眠不足は、脳のゴミを溜めてしまい認知症になりかねない

体に老廃物が溜まるとさまざまな病気にかかりやすくなります。

たとえば、、、

血管に老廃物が溜まると「むくみ」や「血栓」が発生します。

以下の記事で紹介しました。

女性に多い浮腫(むくみ)のメカニズムを知ることで【予防と対策を】



このように、、、

脳にも知らず知らずゴミが溜まっていく

のです。

βアミロイドが溜まることで起きる認知症

昨今、多くの記事にになるように「認知症」は増加しています。

以下のグラフは、公益財団法人日本ケアフィット共育機構から抜粋です。

高齢者人口率は29.1%

総務省統計局から発表される日本の高齢者人口。
最新の発表:高齢者の人口によると2022年9月現在の高齢者人口は3,627万人、高齢者人口率は29.1%となりました。

総務省統計局:高齢者より

しかし、認知症は高齢者だけの問題でだけではありません!


2015年6月1日付で国際科学雑誌『BRAIN』に掲載されたノースウェスタン大学フェインバーグ医学院の研究では、、、

20歳の若者の脳にも「βアミロイド」が蓄積している

のです。

この「βアミロイド」が、認知症の原因になります。

認知症発症のメカニズムとは

脳のゴミといわれるのは、「βアミロイド」のこと。

この、、、

「βアミロイド」が脳内に蓄積されていくと認知症を発症する

といわれています。

これは、次のような段階で認知症が発症するようです。

  1. βアミロイドが脳内で分泌され、一定量に達する
  2. タウというタンパク質が溜まる
  3. 脳の神経細胞が破壊される

スタディハッカー:脳に「ゴミ」が溜まる3つの最悪習慣。今すぐ改善すべきは就寝前の “あの行動” だった。より



このように、、、

脳神経が破壊されるようになると、「海馬」といわれる記憶をつかさどる脳の部位が低下します。

そして、、、

学習するのに深い関係がある神経伝達物質である「アセチルコリン」が減少することによって認知症を発症する

ということ。

脳の神経細胞が破壊される認知症





さらには、、、

有名科学誌『Science』上に掲載された、米ロチェスター大学メディカル・センターの研究では、、

脳内には、脳の老廃物を処理する「グリンパティックシステム」が機能しています

この「グリンパティックシステム」とは、、、

「グリンパティックシステム」
脳内でリンパ系と同様のはたらきをもつ循環システム。
グリア細胞(神経膠細胞)が血管周囲に形成したパイプ状の構造に脳脊髄液を循環させ、脳内に蓄積した老廃物を除去する。
覚醒時より睡眠時の方がより活動的であることが知られる。”

コトババンク:グリンパティックシステムより

要は、、、

睡眠状態にあるときは、グリア細胞(神経膠細胞)が縮んですき間を作り、そのすき間を脳脊髄液が流れることによって脳のゴミを脳の外へ出してくれるということ。



なので、、、

睡眠不足が続くと、脳のゴミである「βアミロイド」が次第に溜まっていき認知症を発症する



この減少は、、、

睡眠の質が低下すればするほど、「βアミロイド」がより蓄積される

ことが、他の研究でも確認されているようです。










次回は、「質の良い睡眠」について述べたいと思います。

 





ではでは。

 





参考にしたサイト
厚生労働省:令和元年「国民健康・栄養調査」
一般社団法人認知症協会:睡眠で脳のゴミが掃除される!認知症予防に良い睡眠とは?
スマート脳ドック:睡眠が体に与える恩恵とは? 睡眠が脳のゴミを掃除しているってほんと?
スタディハッカー:脳に「ゴミ」が溜まる3つの最悪習慣。今すぐ改善すべきは就寝前の “あの行動” だった。
ナショナルジオグラフィック日本版:睡眠不足は立派な「病気」です!

 





 





 





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タロ

久永 広太郎(ヒサナガコウタロウ)

あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。