心臓は電気で動いています
日本人の死因で2位である『血栓症』をシリーズで取り上げています。
というのは、、、
これから迎える真夏に脳梗塞が多いからです。
たとえば、以前の記事でいくつか紹介しました。
これらの脳梗塞を引き起こす原因はいろいろありますが、、、
のです。
しかも、、、
のです。
今回は、、、
人気歌手だった西城秀樹さんが患った脳血栓症を深掘りします。
心臓は、右心房にある洞結節から流れる電気で動いています
私たちは、生まれてから死ぬまで心臓が絶え間なく動いています。
この心臓は休むことがありません。
なぜ、こんなにも強力なポンプが動いているかというと・・・
電気を作る「洞結節」から流れる電気によって動いているのです。
この強力な心臓のポンプは、、、
心臓は1日に10万回以上、拡張と収縮を繰り返し、体中に血液を送る役割を果たしています。
いわばポンプのような役割を果たしているのですが、その力は何と、血液を9m以上飛ばせるほどの強い力があると言われています
さらに、、、
心臓が送り出している血液の量は、1日でおよそ牛乳瓶およそ4万本分。
7200リットルだと言われています。
TBS:心臓から出た血液が一周する時間は?より
脈が不規則になる不整脈という病気の1つの心房細動とは!?
心臓の病気の1つは、不整脈ですが代表的なものが『心房細動』といわれているものです。
心房細動になると、、、
動悸、息切れあるいは倦怠感などの自覚症状があらわれます。
心房細動の有病率は、加齢とともに増加する
日本は、世界でも飛び抜けた高齢化社会ですが、加齢とともに増加する「心房細動」には十分注意が必要です。
というのは、、、
心房細動の罹患率は、年齢を重ねる毎に増加する
からです。
さらに怖いことは・・・
心房細動でより怖いのは、脳梗塞を引き起こしてしまう
からです。
これは、どういうことかというと・・・・
心房細動が原因で、心房内の血液がよどみ血栓でき、この血栓が血流に乗り脳の血管を詰まらせることによって脳梗塞が起こすのです。
心房細動が引き起こす脳梗塞とは・・・
心房細動の患者数は、日本人の1~2%(100~200万人)といわれています。
それも、、、
80歳以上の男性では10%以上が、[心房細動]を患っている#
#:Feinberg WM, Blackshear JL, Laupacis A, et al. Prevalence, Age Distribution, and Gender of Patients With Atrial Fibrillation. Analysis and Implications.Arch Intern Med 1995;155(5):469-473.
また、、、
心房細動は、年々増加しています。
1968~70年に比べて1987~89年では男性で約3倍に
高血圧の人や心筋症の方などは心房細動になりやすい
高齢になれば心房細動の罹患しやすいですが、以下のような持病を持っている方は特に心房細動になりやすいので注意が必要です。
- 心臓弁膜症
- 心筋症
- 虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)
- 高血圧
- 甲状腺機能亢進症
さらに、以下のような悪い生活習慣や生活習慣病の方も要注意です。
- 糖尿病
- 肥満や脂質異常症
- メタボリックシンドローム
- 慢性腎臓病
- 飲酒や喫煙
心房細動による脳梗塞
心房細動によってできる血栓は大きいのが特徴です。
この大きな血栓が、血流に乗って脳の血管を塞いでしまうのですからただ事ではありません。
前回の記事でも紹介したラクナ血栓です。
脳内の動脈は、直径0.2~0.3mm位ですが、血栓が閉塞します。その大きさは直径15mm以下とされています。
心房細動の予防には、適切な長さの睡眠が重要です。
国立循環器病研究センター:心房細動の予防にはより
心房細動の予防には日頃から規則正しく適切な長さの睡眠を取ることが肝要です。
それは、日本人の睡眠時間が少ないことが大きな要因になっています。
- 日本人の平均睡眠時間は男性7時間28分、女性7時間15分
- 英国人男性の8時間24分、女性の8時間31分
- フランス人男性の8時間29分、女性の8時間36分
- アメリカ人男性の8時間43分、女性の8時間57分
比較すると1時間以上も短いことがわかりました。
このことは、何をもたらすかというと・・・
慢性的な寝不足状態の人は、肥満や糖尿病になりやすく、冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすい
のです。
メタ解析によると・・・
- 虚血性心疾患のリスクは、短時間睡眠で1.48倍、長時間睡眠で1.38倍
- 脳卒中は、短時間睡眠で1.15倍、長時間睡眠で1.65倍
多目的コホート研究では、睡眠時間が7時間台を基準とした場合に・・・
10時間以上では、循環器病死亡リスクが男性で3.6倍、女性で2.7倍高くなった
のです。
自治医科大学コホート研究では、、、
男性で睡眠時間が6時間未満で循環器病イベントリスクが2.1倍高くなった
のです。
これらのことから、、、
心房細動予防として、日頃から規則正しく適切な長さの睡眠を取ることが大切なのです。
ではでは。
参考にしたサイト
国立循環器病研究センター:心房細動の予防には
TBS:心臓から出た血液が一周する時間は?
金沢脳神経外科病院:脳梗塞
kotaroblog:[心房細動]によりできる大きな血栓は、前触なく脳梗塞を引き起こす
あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。 |