人間は、カルシウムが無ければ動くことや考えることすらできません
カルシウムは、私たちが生きていく上で非常に大切なものです。
たとえば、、、
ですから、、、
ミネラル成分の中でもカルシウムは最も体内に存在しているミネラル
といえます。
このカルシウムの割合は、、、
- 99%がリン酸と結合して「リン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト)」として骨や歯などの硬組織
- 1%が、血液、筋肉、神経などの軟組織にイオンや種々の塩として存在
しています。
そして、、、
生命維持のカギを握っている「10000分の1のカルシウム」とは
「10000分の1のカルシウム」が生命維持の鍵を握っているとはどういうことでしょうか
先ほどの例を取ると「10000分の1のカルシウム」とは、、、
成人50キロの人なら1キログラムのカルシウムが存在しています。
1%は、イオンという形で血中に10g存在しており、その内の「10000分の1のカルシウム」とは1mgになります
カルシウム濃度を変化させることで筋肉を動かしたり神経伝達物質を放出したりしている
微量なカルシウムは、『動き』『思考』を操作します。
たとえば、、、
筋肉のカルシウム濃度が高くなれば、筋肉は収縮して『動き』となり
神経のカルシウム濃度が高くなると情報が伝達されて『思考』につながる
ということは、、、
カルシウムの凄いところは、骨や歯といった大きな部分をも担いつつ、わずか1mgによって『動き』や『思考』をつかさどっている
ことです。
カルシウムの量をコントロールしているのは甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモンは、首の甲状腺の裏にあり、4つの甲状腺で作られています。
血液中のカルシウム濃度が低下すると、副甲状腺でつくられる副甲状腺ホルモンの量が増加
します。
が、反対に、、、
血液中のカルシウム濃度が上昇すると、副甲状腺でつくられるホルモンの量は減少
します。
甲状腺ホルモンの働きは以下の4つ
- 骨を刺激して血液中にカルシウムを放出させる
- 腎臓から尿の中に排出されるカルシウムの量を減らす
- 消化管を刺激してカルシウムの吸収量を増やす
- 腎臓でビタミンDの活性化を促すことで、消化管でのカルシウム吸収量を増やす
厳密にコントロールされている
血液中のカルシウム濃度
細胞内や血液中のカルシウム量は、厳密に制御されています。
血清カルシウム(Ca)濃度は8.5~10.4 mg/dlに厳密に調節されてい る. 副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)と活性型ビタミン Dは血清Ca濃度を維持する主要なホルモンであり,これらの作用過剰が 高Ca血症の主な原因となる
高カルシウム血症と内分泌疾患 – J-Stage
カルシウム濃度を一定に保つために、、、
カルシウムは必要に応じて骨から血液中に移動します
ですが、もしカルシウム量が不十分だと、、、
骨のカルシウムが大量に動員されて骨が弱くなり、骨粗しょう症に
カルシウム・パラドックスとは
カルシウムの量は調整されているはずなのに、、、
たとえば、、、
血液中のカルシウムが不足しているのに、体内にはカルシウムがあふれ過ぎている。
このような状態により、さまざまな不調を起こすという矛盾を「カルシウムパラドックス」
といいます。
カルシウムは体内で合成されないため、食品などから補給が必要です。
もし仮に外からの補給が断たれると、体内のカルシウム量は次第に減少していくはずです。
しかし不思議なことに、カルシウムの補給が無くなると、反対に血中のカルシウム量が増加することがあります。
補給がないのに量が増えるという逆説、つまりカルシウム・パラドックスが起こるのです。
このような、、、
カルシウム・パラドックスに陥ると、血液中のカルシウム濃度が上昇して、生命現象に悪影響を与え、高血圧や動脈硬化など血管の疾病を引き起こすのです
カルシウム・パラドックスを防ぐには
カルシウム・パラドックスが何時までも続くのは、甲状腺ホルモンが働き続けて過剰に骨からカルシウムをおくりこむことにあります。
そこで、これを断ち切るには、、、
ということにつきます。
ですから、、、
日頃から食事や医薬品等で口からカルシウムを供給してあげること
こうすることで、、、
経口によるカルシウムなので、この悪循環を断ち切ることができます
カルシウム不足と動脈硬化
カルシウムが不足すると骨からカルシウムが取り出されます。
そして、カルシウム不足で血管が硬くなる理由は、、、
血液中のカルシウム濃度が向上すると血管壁の細胞内に溜まっていきます。
すると、、、
コレステロールと同様に血管壁に付着して石灰化して各巻を硬くして動脈硬化を発症させる
のです。
カルシウム不足と糖尿病
糖尿病と聞けば、インスリンを思い出します。
じつは、、、
カルシウムは血中の糖分量の増減を感知し、それを膵臓に伝達してインスリン分泌を調整する働きをしている
のです。
カルシウムと糖尿病に関しては、、、
カルシウムの伝達機能が正常な場合は、、、
この「10000:1」のバランスが崩れると、、、
参考にしたサイト
健康長寿ネット:カルシウムの働きと1日の摂取量
独立行政法人理化学研究所:カルシウム振動が生み出されるメカニズムを説明する新たな知見
J-Stage:高カルシウム血症と内分泌疾患
健達ネット:カルシウム・パラドックスとは?
あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。 |