若年層も注意が必要。サルコペニアと転倒
65歳以上の転倒・転落による死亡は、交通事故死の5倍にも達している。
ということを前回ブログにて記事にしました。
これは、、、
不慮の事故死の中で窒息死や溺水死が減少傾向にあるのにもかかわらず「転倒・転落死は増加」しいるのです。
さらに調べてみると、、、
この傾向は高齢者だけのことではなく若年層も十分注意が必要ということが判明しました。
サルコペニアは、加齢による筋肉量の減少および筋力の低下のこと
まず、サルコペニアとは『加齢による筋肉量の減少および筋力の低下のこと』をさします。
さらに、、、
サルコペニアに陥ると各種疾患の重症化や生存期間にも影響をおよぼす
と、されています。

また、サルコペニアは以下に分類できます。
- プレサルコペニア:単なる筋肉量低下
- サルコペニア:筋肉量低下と筋力低下
- 重症サルコペニア:筋肉量、筋力、身体能力低下
若年層も注意!運動不足、
栄養不足(過度のダイエット)でおきるサルコペニア
サルコペニアは、高齢者だけの問題ではありません。
たとえば、、、
日常生活で歩くのが難しくなったり動きにくいと感じたときはサルコペニアの可能性があります。

一次性サルコペニア | 二次性サルコペニア |
加齢による筋肉量の減少が原因 | 加齢以外が原因 寝たきりや、無気力状態などの不活発な生活、心臓や肺、肝臓、脳、腎臓などの重症臓器不全や炎症性疾患等の疾病、消化管疾患、食欲不振などによるエネルギー不足やたんぱく質不足 など |
サルコペニアになりやすいタイプとは
高齢者だけではない、サルコペニアになりやすいタイプは・・・
運動習慣がなく筋肉量が少ない | 食事制限のみのダイエット |
デスクワークで長時間座っている人。 日常的に運動習慣がないタイプの人は、筋肉量が少なくなりサルコペニアを発症しやすい | 運動をせず食事制限中心の極端なダイエットをしている方は、若くてもサルコペニアになる可能性が高い |

病気やけがが原因 | 栄養が原因 | その他の原因 |
心疾患 呼吸器疾患 リウマチや膠原病 がん(悪性腫瘍) 感染症 内分泌疾患 肥満 外傷 | 心疾患 呼吸器疾患 リウマチや膠原病 がん(悪性腫瘍) 感染症 内分泌疾患 肥満 外傷 | 寝たきり 運動不足 長時間のデスクワークなどの動かない状態が続く 生活失調 |
過度のダイエットは、サルコペニアになりやすい
運動をせずに、バランスのよい食事も摂らずに、食事制限だけでダイエットをしている人はサルコペニアになっているかもしれません。
それは、、、
この必須アミノ酸は、食事からも摂る必要があります。
この必須アミノ酸が不足すると・・・
必須アミノ酸が不足すると筋肉を作ることができず、筋肉の細胞が分解されてしまい、さらに筋肉量が減少してサルコペニアになりやすい
のです。

若年者のロコモティブシンドローム・サルコペニアの実態
第53回日本理学療法学術大会での研究結果の紹介します。
若年層での実態を調査したものです。
対象者は、10~40代の773名である(男性:440名,女性:333名)
サルコペニアとフレイル、ロコモとの違いとは?
- サルコペニアは、「加齢による筋肉量の減少」
- フレイルは、「虚弱」
- ロコモは、「運動機能の低下」
調査結果は・・・
- ロコモの該当者は、99名
- サルコペニアの該当者は、100名
調査結果の特徴
この調査での特徴は、、、
- ロコモ群の男性では,すべての年代でBMIが高い傾向
- ロコモ群の女性では10~30代でBMIが高い傾向
サルコペニアは、、、
- 男性では、10~20代
- 女性では、すべての年代においてBMI・骨格筋量・部位別の筋肉量が低かった
調査の結論は
10~40代の若年者でもロコモやサルコペニアの該当者がいる
ロコモ該当者では男女ともにBMIが高い
ということは、、、
肥満ゆえに移動機能が低下していて運動機能の低下(ロコモ)に陥りやすい
BMI値や骨格筋量・部位別の筋肉量が相当低い人が、サルコペニアになりやすい。
若年層のサルコペニアは、加齢以外の要因である「二次性サルコペニア」が大きく関わっていることが推測されます。

若年層のサルコペニアを回避するためにも、軽度な運動が必要ですね!
ではでは。
参考にしたサイト
理学療法ハンドブック
my medical clinic:サルコペニアとは?原因、症状、予防法について解説
サルスクリニック:若年の方でもサルコペニアになるの? その原因を解説!
健康長寿ネット:サルコペニアとは
甲賀市信楽中央病院:若い人も注意!サルコペニア
J-STAGE:若年者のロコモティブシンドローム・サルコペニアの実態
![]() | あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。 |