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環境ホルモンを考える。精子の数がゼロになる恐れ。日本人男性の精子が質も量も最低レベルという事実。

環境ホルモン(外因性内分泌攪乱化学物質)

人類は、滅亡に向かっているのか?40年後には精子はゼロになるという予測

なんとも衝撃的なタイトルにしてしまいました。

ですが、無視できない状況にあるようなので記事にします。

前回、前々回と環境ホルモンのことを記事してきました。

サバ缶

缶詰は、非常食としては貴重な食品ですが、製造途中で使用される環境ホルモンが不妊などの悪影響を及ぼします。

とか

その缶詰大丈夫?コーティングで使用されるBPAは、生殖器や神経系などに深刻な問題を起こします。


この、、、

環境ホルモンは、生殖系に深刻な影響をおよぼしている

のです。

精子数は1973年時点から2011年にはほぼ半減し、あと40年でゼロになる

「あと40年で精子の数がゼロになる」という予測を打ち出したのは、イスラエルのヘブライ大学とアメリカにあるマウント・サイナイ医科大学の調査研究チーム。

彼等の研究調査は、、、

アメリカ、ヨーロッパそしてオーストラリア、ニュージーランドにすむ男性の精子の数を調査。
約4万3000人の男の精液を調べた結果は、精子数は1973年時点で精液1ミリリットルあたり9900万個だったが、2011年には4700万個に減少。

さらに、、、

減少ペースは上がっていて、最悪40年でゼロになる

という。

また、、、

今から50年前の1973年当時に比べて、精液1ミリリットルあたりの精子数が半分以下に減り、精子の総量も6割近く減っていた。
精子の数は、最悪40年でゼロになる



これでは、「少子化の問題」が解決するわけもないですよね。

日本人男性の精子は、質も量も最低レベル

さらに、追い打ちをかけるように、、

日本人男性の精子は、質も量も最低レベル

という、報道もありました。

東洋経済の「「日本人男性の精子」量も質もよくない衝撃事実」という記事では、、、

日本人男性の精子の数について、ショッキングな結果が報道されています。日欧の国際共同研究で、日本人男性の精子数は、フィンランドの男性の精子数の約3分の2しかなく、調査した欧州4カ国・地域のなかでも最も少ない

ことがわかったといいます。

東洋経済:「日本人男性の精子」量も質もよくない衝撃事実より

テストステロン(男性ホルモン)の分泌も減っている事実

肛門性器間距離(AGD)」という言葉をご存じでしょうか?

ウィキペディアでは、以下のよう説明しています。

肛門性器間距離とは、肛門から生殖器までの距離のこと

である。

男性の場合の「肛門性器間距離(AGD)」は、女性の2倍が普通なのですが、、、

男性ホルモンが少なくなると「肛門性器間距離(AGD)」は、短くなる傾向にあります。

すると、、、

短い「肛門性器間距離(AGD)」は、生殖の脳力が劣り、さらに、精巣の形成不全や精巣癌になりやすい

のです。

 





世界的に精子の数が減った原因は・・・

すべて「環境ホルモンが原因」だと決めつけてはいけませんが、多くの記事に目を通すと殆どの学者や記者は「環境ホルモン」のことに言及しています。

そもそも環境ホルモンとは何!?

環境ホルモンを紐解くと、、、

環境ホルモンとは
環境ホルモンとは、生物の体内に入るとホルモンと同様にふるまうことで、本来のホルモンの働きを攪乱して影響を及ぼす化学物質の総称であり、正式名称は「外因性内分泌攪乱物質」である

と、「鈴鹿市のホームページ」に詳しい環境ホルモンの説明がありました。

また、、、

環境省では、正常なホルモン作用に影響を与える外因性の物質」と定義し、67 種類(現在 65 物質)の化学物質

が挙げられているようです。

環境ホルモンを端的に説明すると、、、

私たちの生活空間の中で発生した化学物質が、人間の体に存在するホルモンと同様の働きをする物質のこと

で、、、

この化学物質が、体内に取り込まれると自己恒常性(ホメオスタシス)の維持とか生殖機能や発達・行動を支配しているホルモンの生成などに悪影響を及ぼす

ことなのです。

環境ホルモンは、人間だけでなくあらゆる動物などにも被害を及ぼします

環境ホルモンの種類

環境ホルモンは、分解が困難で環境に残留します。

また、、、

食物連鎖で数千倍、数万倍に濃縮される

ことが知られています。

  1. 産業化学物質としてのノニルフェノ-ルやビスフエノ-ルAなど
  2. ダイオキシン類、農薬としてのDDT、DDD、メトキシクロル、ディルドリンなど
  3. 天然物質としてのフォルモノネチン、クメストロ-ルなど
  4. 医薬品としてのDES、エチニルエストラジオ-ル(ピル)など
精子数の平均値とプラスチックの生産量(1970年以降)
GQ:止まらない精子減少の行方──人類の終わりのはじまり?より

環境ホルモンは、どこに悪影響を及ぼすのか

人間だけではなく、あらゆる生命体に環境ホルモンは侵入します。

では、体内に取り込まれた環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)は、どんなところに悪影響を及ぼすのでしょうか。

  • 甲状腺
  • 副腎
  • 卵巣
  • 精巣
  • 下垂体
  • 視床下部
  • その他の内分泌機構

ホルモン名部 位 主な作用(調整作用)分泌過剰分泌不足/レセプタ-異常
成長ホルモン下垂体成長の亢進巨人症末端肥大症小人症
甲状腺ホルモン甲状腺代謝の亢進
知能・成長の調整
甲状腺機能亢進症
(バセドウ病)
甲状腺機能低下症
インシュリンすい臓血糖の低下低血糖症高血糖症(糖尿病)
副腎皮質ホルモン副 腎代謝、免疫等の調整クッシング症候群アジソン病
エストロジェン
(女性ホルモン)
卵 巣女性化(月経・乳腺)
卵子の発育、排卵
子宮内膜症、膣ガン
乳がん、不正出血
女性器の発育
異常月経不順
アンドロジェン
(男性ホルモン)
精 巣男性化
精巣の発育、精子合
二次性徴の早期出現男性器の発育異常
無精子症
睾丸性女性化症候群
人の主要なホルモンの作用及び過不足により起こりうる疾患




これは、、、

人体のあらゆる箇所に環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)の影響がでているのが分かります。

とくに、既に紹介した「肛門性器間距離(AGD)」は、深刻です。

というのは、、、

妊娠中の尿検査で、環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)が高濃度で検出された女性から産まれる男子は、肛門性器間距離(AGD)が短く、ペニスも短く精巣が小さい傾向がある。

のです。

ですから、、、

妊活をされている方は特に「環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)」に注意を払う必要があります。

胎児の睾丸が男性ホルモンを作り始めるのは妊娠8週目の前後。
そのころから環境ホルモンのせいで男性ホルモンが足りなければ、AGDが短くなる

さらにさらに深刻なことは、、、

化学物質の影響で男性ホルモンの分泌が減った場合、その傾向は息子に受け継がれる

ということ。

これは、、、

精子の少ない親から生まれた子の精子は、もっと少ない可能性が大きいのです。

環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)の危険性を十分熟知しましょう。

 





ではでは。

 





参考にしたサイト
環境ホルモン:環境ホルモン
東洋経済:「日本人男性の精子」量も質もよくない衝撃事実
NHK:ニッポン “精子力” クライシス
GQ:止まらない精子減少の行方──人類の終わりのはじまり?
WIRED:「欧米男性の精子数、40年で半減」は少子化につながる? イスラエルでの研究結果から判明

 





 





 





SaulによるPixabayからの画像

 





タロ

久永 広太郎(ヒサナガコウタロウ)

あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。