世界的に急増している虚血性心疾患
増加する心疾患で死亡する割合は、22年で1.47倍にも
先進国の死亡率ランキングで必ず1位か2位になる心疾患。WHO(世界保健機関)が、2,012年に発表した「2012年世界保険統計」によると、2008年の世界の総死亡数は、5,700万人。
そのうちの、、、
- 63%にあたる3,600万人が生活習慣病(Non-communicable disease:NCD)が原因で死亡しています
- 脳卒中や癌、心疾患、糖尿病、高血圧症、動脈硬化など
世界的に生活習慣病は増加している
生活習慣病は、中年〜高齢者の間で増加しており、、、
- 2030年までには、生活習慣病による死亡者数が5,500万人に増加
そのうち、、、
- 心疾患による年間死亡者数は2,500万人
- 癌による死亡者数は、1,300万人
増加すると予測しています。
世界的に生活習慣病で死亡する疾病は
生活習慣病によって死亡する割合が高いのは、、、
- 心疾患:48%
- がん:21%
- 慢性呼吸病:12%
心疾患で死亡する人は急増している
心疾患による年間の死亡者数の予測は、、、
- 2008年:1,700万人〜2030年:2,500万に増加する
がんによる年間の死亡者数の予測は、、、
- 2008年:760万人〜2030年:1,300万に増加する
日本での心疾患の現状は
平成26年のデータでは、、、
- 心疾患による死亡数は、約19.7万人
- 全死亡原因の第2位で約15.5%
平成26年の死亡率では、、、
- 心疾患全体で157.0(人口10万人対)
そのうち、、、
- 虚血性心疾患:58.9(男性 68.7、女性 49.6)
- 心不全:57.1(男性 44.1、女性 69.5)
となっています。
生活習慣の乱れから起きる狭心症と心筋梗塞
狭心症と心筋梗塞をまとめて虚血性心疾患という
心臓は筋肉のかたまりです。1日に10万回も休みなく拍動するポンプです。絶えず収縮と拡張をくり返し、血液を全身に送り出しています。
この休み無く拍動するポンプのおかげで、全身の細胞は酸素と栄養を得られて生きていけます。
心疾患とは
心疾患というと、不整脈や先天性の心臓病などもありますが、多く占めるのが虚血性心疾患です。
虚血とは、血がない状態を指し、心臓に血液が十分に行き渡っていないことで、動脈硬化とは心臓に栄養を送っている血管が硬くなっている状態のこと。
一昔前は、動脈硬化というと血管の老化が原因といわれていましたが、現在では、食習慣の欧米化や生活習慣の乱れなどが主な原因だとみられています。
生活習慣の乱れとは、外食の多い生活、肉中心の脂の多い生活、運動不足、喫煙、ストレス、などなど
虚血性心疾患とは、狭心症と心筋梗塞をまとめた総称です。
現在では、若年層の発症も珍しくありません。
また、、、
この虚血性心疾患は、癌と同じでサイレントキラーとよばれ、身体に症状が現れないのが特徴です。現れたときには、すでに重症化していることが多い
のです。
若い世代のときの生活習慣の乱れから、症状もなく虚血性心疾患が進行し、中年になって発症したときには、重病になっているケースがあります
では、2つの狭心症と心筋梗塞を詳しく解説します。
狭心症とは
動脈硬化が原因のタイプ[狭心症]
心臓の筋肉のことを心筋と呼びます。「冠動脈」と呼ばれる、心筋に血液を送っている血管が[動脈硬化]が原因で細くなり、心筋の血液が不足します。
普段は、症状がないのに階段を上ったときや重たいものを持った時など、ある程度の体の負担(労作)の時や精神的なストレスがかかったとき、冠状動脈が余分なコレステロールがたまって細くなっているために血流がなくなり締め付けられるような痛みがでます(虚血性の痛み)。
この締め付けられるような胸の痛みを「狭心症」と呼んでいます。
狭心症の発作とは、心筋に血液が行かないために、「胸がギュ」っと締め付けられるような痛み
通常の健常な場合は、どんなに心臓の鼓動が早くなっても、冠動脈と血液の供給の予備脳力は大丈夫なのですが、動脈硬化が原因で血流がままならないと狭心症の発作がでます。
冠状動脈のけいれんが原因のタイプ[狭心症]
動脈硬化ではなく、冠状動脈がけいれんして発作が起きるタイプ(冠攣縮性狭心症)もあります。
・運動や作業といった労作と関係なく(とくに早朝)におこる場合
どちらのタイプもひんぱんに発作が起きる(2〜3週間の間)ようであれば、心筋梗塞に移行する場合があるので専門医に相談してください。
心筋梗塞とは
冠動脈が、詰まると心臓の筋肉に栄養が供給できなくなります。そうすると数時間のうちに心筋の細胞が壊死がはじまってしまいます。細胞が破壊されて死んでしまう量が多くなると命につながります。
急性心筋梗塞の実態
- 日本では、がんに次いで2位
- 病院で治療を受けても7%は、死亡
- 救急で搬送されたうち15%は、心肺停止の状態
- 心筋梗塞を発症して病院に到着しても3割は死亡の状態
心筋梗塞の代表的な症状は、締め付けられるような強い痛みで狭心症に似ています。違う点は、安静にしていてもおさまらないこと。
喫煙者の虚血性心疾患リスクは、、、
- 非喫煙者の3倍
- 心筋梗塞に限った場合では、男性で約4倍
虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)の予防
動脈硬化は、生活習慣と食習慣の乱れが原因といわれています。
生活習慣病の予防をすることが肝心です。
「まだ若いから大丈夫」などと思わずに、禁煙をして、
- 脂質異常症(高脂血症)や糖尿病、高血圧にならないように生活習慣を見直してください。
とくに、、、
- 血糖値のコントロールができれば心筋梗塞になりにくいことが証明されています
そのためにも、、、
- 肥満にならないように日頃から内臓脂肪を減少させるようにウォーキングや運動を習慣化させてください
ではでは。
あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。 |