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肥満の流行の原因は、抗生物質だった!?ダイエットを阻む抗生物質は、マイクロバイオームを荒らしています。

肥満の原因は抗生物質か ダイエット

マイクロバイオータの遺伝物質の名称がマイクロバイオーム

このブログでは、長年にわたって肥満とは何か?
または、ダイエット効果を高めるためにはどうするか?
などの問題を取り上げてきました。

それは、、、

肥満や生活習慣の乱れから糖尿病を始めとする生活習慣病を引き起こしてしまう

から、問題提議として何遍も何遍もしつこく記事にしています。

たとえば、以下の記事では、、、

配偶者が肥満になったとき、その人も肥満になる確率は、37%も上昇した!

という驚くべき話題を紹介しました。

肥満は、過食や運動不足だけで起こる現象ではありません

肥満は、過食や運動不足だけで起こる現象ではありません!【マイクロバイオータの働き】

マイクロバイオータとは、私たちの体に住みついている微生物叢のことを指します。

私たち人間は、ミミズやヒルと同じように「環形動物」です。
単純にいうと円筒形の動物です。

手足の皮膚や体にも多くの微生物が住んでいますが、口の中からお尻までつながる管にも同様に多くの微生物が住んでいます。

マイクロバイオータは、体重の1.5キロをしめている

このマイクロバイオータは、、

  • 100兆個の細菌
  • 重さにして1.5kg
  • 人間の細胞よりも10倍多い細胞数

そして、、、

食べ物の消化もマイクロバイオータにアウトソーシングしている

のです。

子どもたちの腸内環境を守ろう

腸内環境をもっと改善して、子どもたちの未来を明るくしよう!

さらに、、、

腸内微生物の影響では、自閉症児は、健常児に比べ腸内のクロストリジウム属の細菌が10倍も多いというデータがあります。


このようにマイクロバイオータの働きは、私たち人間にとって重要な働きをしてくれています。

正式には、マイクロバイオータの遺伝物質の名称をマイクロバイオームと呼んでいます。

しかし、マイクロバイオータとマイクロバイオームは、同じ意味でも使われていることも多いようです。





日経BPの日経バイオテクというサイトでは、以下のように説明されています。

マイクロバイオータ
マイクロバイオータ(microbiota)はある環境中の微生物を指し、マイクロバイオーム(microbiome)は微生物が持つゲノム情報の総体を指す用語である。
ヒトは総数にして600兆から1000兆個の微生物と共存している。中でも最も研究が進んでいるのが腸内細菌である。
細菌はヒトをすみかとする一方で、ヒトにはできない食物消化やビタミン合成を行う他、免疫作用など様々な機能を提供してくれる不可欠なパートナーであることが分かり始めている。
ヒトを含む動物の腸内に生息している膨大な数の腸内共生マイクロバイオータを腸内菌叢、腸内フローラなどともいう。

日経BPの日経バイオテク:マイクロバイオータ




マイクロバイオームの遺伝子の数は、ヒトゲノムの遺伝子数の150倍もあるのでマイクロバイオータは、ひとつの生態系と言って良いほど

のものです。

とくにマイクロバイオータは、腸内に多く存在しています。

そして、、、

お母さんの胎内にいるときから引き継ぎ、出産、授乳と多くの微生物叢をもらいます。

たとえば、、、

胃ガンの発生原因とされて嫌われもののヘリコバクター・ピロリ菌ですが、ピロリ菌が極端に少ない子どもは小児喘息にかかりやすい

という研究データもあります。

ピロリ菌が極端に少ない子どもは小児喘息にかかりやすい



単純に親から引き継ぐ細菌類は、悪者扱いできないということになります。

マイクロバイオータの乱れは、さまざまな病気や肥満・老化を引き起こす

腸内環境は、健康に生存するために重要です。

このマイクロバイオータが乱れると様々な炎症を起こします。

たとえば、、、

神経系疾患アレルギー、副鼻腔炎、気管支炎、慢性疲労、アルツハイマー病、多発性硬化症、パーキンソン病、偏頭痛など
皮膚疾患自閉症、うつ病、不安障害、喘息、さまざまな癌、セリアック病、大腸炎、糖尿病などの多くの病気、湿疹、にきび、酒さ様皮膚炎、蕁麻疹など
免疫系の疾患心血管疾患、肥満、過敏性腸症候群(IBS)など

マイクロバイオータの乱れは、人間のパフォーマンスを著しく悪化させていきます。

  • 食物の消化
  • 免疫系のサポート
  • ビタミンの生成
  • 腸の健康
  • 炎症の予防
  • 理想的な体重の維持
  • 脳活動の保護など

 





マイクロバイオータの乱れの原因のひとつに抗生物質が考えられる

マイクロバイオータの乱れで「理想的な体重の維持」列記しました。

これは、前回の記事でも取り上げた話題です。

太る原因は抗生物質

痩せない苦しいダイエット。もしかしたら太る原因は食べすぎじゃなくて抗生物質かも知れませんよ。

いくらダイエットしても痩せない本当の原因は抗生物質が原因のひとつではないのか

という問題です。

ペニシリンの発見は、20世紀の偉業と言われるほど戦争で傷ついた多くの人たちの命を救ってきました。
また、結核の特効薬でもあり、梅毒の特効薬でもありました。

が、、、

輝かしい功績を挙げたペニシリンですが、現在では悪評を浴びる薬物になってきました。

それは、、、

マイクロバイオータを乱す原因と目されている

からです。

抗生物質で太った食肉の影響でダイエットできない可能性

人工飼料には、抗生物質含まれています。

厚生労働省は、抗生物質の残留基準値を設定していて残留値が内容に厳しく規定います。

新たに設定した残留基準について】 – 厚生労働省

しかし、私たちが普段食しているがファミレスやスーパーなどの食肉はアメリカを始めオーストラリア、カナダ産がほとんど。
この国々の抗生物質への基準は日本よりもさらにゆるい設定になっています。

輸入肉の残留抗生物質の可能性は否定できない



前回のブログでも述べたように、抗生物質の影響で家畜の体重が増加する仕組みはハッキリと判明していませんが、マウスを用いた実験では、、、

  1. 体脂肪が増加した
  2. 腸内微生物群集の構成を変化させた
  3. 微生物の代謝経路の活性が変化し、短鎖脂肪酸の産生をもたらした

などの研究結果が出ています。

目黒区消費者友の会のレポートから

輸入肉の残留抗生物質の可能性を探るために「目黒区消費者友の会」の資料がありましたので掲載します。

輸入食品は食べても本当に大丈夫?

1)収穫後に使用される防かび剤の残留基準の緩和
収穫後、作物に直接散布されるポストハーベスト農薬は、日本では禁止されています。
しかし、OPP※、TBZ※、イマザリル、ジフェニールなどの防カビ剤が、食品添加物の保存料として認められ、輸入果実のグレープフルーツ、レモン、オレンジ、バナナ、チェリー等に収穫後散布されています。
収穫後散布は、残留量が高くなるため、残留規制が緩和されました。
これらには人体の遺伝子損傷性、変異原性、染色体異常、発がん性などがあります。
レモンティ―、マーマレードにも注意が必要です。
※OPP…オルトフェニルフェノール、TBZ…チアベンダゾール
2)食品添加物の指定増大
日本は、指定添加物の数を656品目に決めています。
米国は1,600品目です。食品安全委員会は米国から輸入し易いように、現在100品目の追加認可を進めています。
3)殺菌剤「過酢酸製剤」が使用解禁
食肉の輸入では、発がん性が疑われている過酸化水素が含まれることから、日本では認めてこなかったのですが、O-157、カンピロバクター、サルモネラなど食肉由来の食中毒に有効なことから屑肉に過酢酸製剤の使用を認め、日本に輸出したい米国の求めに応じています。
4)肉の赤身増量の飼料添加物(塩酸ラクトパミン)
EU・中国・台湾・ロシアなど世界160ヶ国で使用禁止・輸入規制。吐き気、めまい、無気力、手の震えなどの中毒症状、心臓病や高血圧患者への影響が大きく、長期摂取で悪性腫瘍誘発の懸念があります。
日本では国内使用禁止、輸入肉には残留基準値を設定していますが、検疫検査はありません。
ベーコン、ハム、ソーセージなど加工肉の多くは、輸入豚肉を原料としています。
5)輸入牛肉の成長ホルモン剤
米国・豪州は牛に合成ホルモン剤を使用しています。
EU等では、合成ホルモン剤使用の牛肉は輸入を禁止しています。
日本は、国内使用を禁止していますが、日豪FTA合意で合成ホルモン剤使用のオ―ストラリア産牛肉の輸入量が増えています。
輸入牛肉の消費量と並行して乳がん、前立腺がんを含むホルモン依存性がんは、急速に増加し、日本人女性の乳がんは2015年、9万人に達しています。
6)遺伝子組み換え(GM)食品
GM食品で輸入が許可されている食品は、とうもろこし、大豆、菜種、綿実、じゃがいも、てんさい、アルファルファ、パパイアの8種類ですが、日本での栽培はほとんど行なわれていません。
GM作物から作られている主な加工食品は、食用油、醤油、マヨネーズ、菓子等で、表示をしなくてよいので、知らず知らずに日本人が世界で一番高い率でGM食品を食べていることになります。日本で消費される大豆のうち85%がGMと言われています。
GM大豆は、すべての植物を枯らす有機リン系の除草剤ラウンドアップを使用しても枯れない抵抗性を持っています。ラウンドアップは、WHOの国際がん研究機関(IARC)で発がん性が認められるランク2Aです。また、環境ホルモン作用、出生異常と子どもの神経に作用すると懸念されています。
EU諸国28ヶ国の内、19ヶ国が非GMを選択しています。(2015年)
7)輸入のチリ産養殖サケ
チリ産の養殖サケは、輸入サケ・マスの総量の4割を占めています。
現場では、養殖による餌の大量投入による海洋汚染、海じらみに対する殺虫剤、ウイルス、バクテリア感染対策の殺菌剤・抗生物質の投与により、有害物質がサケに大量蓄積しています米国コーネル大学の発表(05年)では、食べ続けると幼児にIQの低下や発育障害をもたらす恐れがあり、チリ産サケの摂取許容の目安は年間6回までとしています。
8)輸入食品の検査体制の実態
安全性については残留物質、有害物質、微生物等が混入していないか検査されていますが、サンプルで抜き出すモニタリング検査が主流です。
検査率は8.8%(2014年)という低さ、これは検査を担当する食品衛生監視員の不足と輸入食品が急増しているからです。
今後、TPP11で48時間通関制度が日本で初めて適応されることになります。これにより通関にかかる時間を基本的に48時間以内に収めることが義務づけられ、検査率はさらに下落し9割以上の無検査輸入食品が流通すると思われます。
輸入に依存している私たちの食の安全は脅威に直面することになるでしょう。
規制の緩い日本は、粗悪な輸入食品の吹き溜まりになっています。国は食料の安全を保障し、消費者は安全な国産品を選び、GMを許さず、国内農業の維持、発展を求めて行きましょう。
参考資料:安田節子氏(食政策センター・ビジョン21代表)学習会レジメ

このレポートを詳細に読み込むとゾッとして鳥肌が立ちます。
こと食肉に関しては、「FTA合意で合成ホルモン剤使用のオ―ストラリア産牛肉の輸入量が増えている」ということなので、抗菌薬の残留値の可能性は大きいと言わざるえません。

まとめとして

今回は、輸入肉に焦点を当てて残留抗生物質の可能性をみてきました。

ですが、風邪を引いて処方される抗生物質なども腸内フローラを乱す一つでもあります。
抗生物質を頻繁に使用することは、薬剤耐性菌を産生させる一因でもあるので抗生物質の取り扱いは慎重にするべきです。

また、、、

抗生物質環境汚染ということも視野に入れるべきです。

ナショナルジオグラフィックの記事から世界の川侵す抗生物質汚染 耐性菌由来の病死広がる?

英ヨーク大学の研究者らが、フィンランドで開催された環境毒性学化学会欧州支部の学会で2019年5月27日に発表した最新の研究によると、テムズ川からメコン川、チグリス川など、世界中の91河川を調査したところ、3分の2近くで抗生物質が検出された。
この研究を率いた1人であるヨーク大学の環境化学者アリステア・ボクソール氏は、これは大問題だと話す。「生理活性物質である抗生物質を、私たちの社会は自然環境に大量に排出しています」

その結果、川の生態系だけでなく人の健康までもが、重大な悪影響を被る恐れがあるという。

世界中の91河川を調査したところ、3分の2近くで抗生物質が検出された


 





ではでは。

 





 





参考にしたサイト
well world:マイクロバイオータとマイクロバイオーム
Chiisanate(ちいさなて)の食べStory:気になる!お肉(家畜)に使う抗生物質の影響【薬が効かなくなるよ】
五本木クリニック:自分が肥満なのは抗生物質を飲んだため⁉抗生剤肥満原因説は本当か?
Nature Japan:微生物学:低用量の抗生物質で体重が増える仕組み
添加物の氏って得裏情報:消費者に届きにくい豚肉の現実
「Administration of Antibiotics to Children Before Age 2 Years Increases Risk for Childhood Obesity」(Gastroenterology. 2016 Jul;151 (1) :120-129.e5)
「Abnormal Weight Gain and Gut Microbiota Modifications Are Side Effects of Long-Term Doxycycline and Hydroxychloroquine Treatment」(Antimicrob Agents Chemother. 2014 Jun; 58 (6) : 3342–3347)
Chiisanate(ちいさなて)の食べStory:気になる!お肉(家畜)に使う抗生物質の影響【薬が効かなくなるよ】

 





 





 





タロ

久永 広太郎(ヒサナガコウタロウ)

あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。