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質の良い睡眠を取ることはさまざまな病気から守ってくれて、認知症予防に最適なのです。

健康豆知識

質の悪い睡眠は、脳にゴミが溜まりさまざまな病気に発展する

前回の記事では、睡眠をとることの重要性を取り上げました。

たとえば、、、

人間は、25歳からは20年ごとに30分程度の割合で睡眠時間は減少し、65歳になると約6時間睡眠になる

とか、、、

現代人は寝不足が多く、男性だと6時間未満の睡眠不足:37.5%。女性なら40.6%

など、睡眠不足の割合がとても多いことを取り上げました。



そして、この睡眠不足は、

気がつかないうちに体が蝕まれていきさまざまな病気を発生させる

という怖い内容でした。




また、睡眠を充分取ることで得られるメリットとしては、、、

  1. 十分な睡眠と取った方が脳の活性が良くなる
  2. 十分な睡眠を得ることで記憶を整理する
  3. 十分な睡眠と取ることで脳をアップデートしてくれる

などなど、脳に良い働きをもたらしてくれるのです。

じつは、寝つきのいい人は睡眠不足。脳の老廃物「βアミロイド」が溜まると認知症を発症する。




さらには、、、

睡眠不足で脳にゴミが溜まると「むくみ」や「血栓」が発生し、認知症を発症する

という、多くのデータがあります。

驚くべきことに高齢者の3割は認証だ!

ということ

睡眠不足で脳にβアミロイドが蓄積されると認知症に発展

βアミロイドとは、脳のゴミのことです。


現代の研究では、「βアミロイド」が蓄積されると認知症を発症するといわれています。

それは、以下のようなプロセスを経て発症します。

βアミロイドが脳内で分泌され、一定量に達すると、タウというタンパク質が次第に溜まっていき、脳の神経細胞が破壊されるようになり認知症を発症する

という段階を踏んでいくようです。

スタディハッカー:脳に「ゴミ」が溜まる3つの最悪習慣。今すぐ改善すべきは就寝前の “あの行動” だった。より


この段階を過ぎると、、、

脳神経が破壊されてしまうと、「海馬」といわれる記憶をつかさどる脳の部位が低下し、学習するのに深い関係がある神経伝達物質である「アセチルコリン」が減少する

これが、認知症なのです。

βアミロイドが溜まり、
脳の神経細胞が破壊される認知症

 





適切な睡眠時間をとり、質の良い睡眠を取るためには

65歳なら6時間と30分くらいが目安

厚生労働省のホームページでは、適正な睡眠時間を次のように設定しています。
健康づくりのための睡眠指針検討会報告書

快適な睡眠を確保するための、睡眠時間、睡眠パターン等は人それぞれで個人差があります。
特に年齢の影響は大きく、10歳代では、8から10時間、成人以降50歳代までは、6.5から87.5時間、60歳代以上で平均6時間弱と、高齢になるほど、概して必要な睡眠時間が短くなることが報告されており、無理に長時間眠ろうとすることで、かえって睡眠の質を低下させることがあることに留意することが必要です。

さらに、、、
健康づくりのための睡眠指針検討会報告書

寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減るため、快適に睡眠を確保できているかを評価する方法の一つとして、日中しっかり目覚めて過ごせているかを目安にすることが重要

です。と、寝すぎることも黄色信号だと指導しています。

糖尿病患者のアルツハイマー病発症率は、糖尿病でない人の2倍に

糖尿病患者のアルツハイマー病発症率は、糖尿病でない人の2倍に

甘い物好きには、苦い話かも知れません。

が、、、

脳のゴミが溜まりやすい習慣のひとつが甘いものを多く摂ること

なのです。

それは、九州大学の研究チームが15年にわたって追跡調査したところによると、、、

糖尿病患者のアルツハイマー病発症率は、糖尿病でない人の2倍になる

という恐ろしい研究データがあります。

血糖値を上げる飲食を繰り返していると、インスリンが効かなくなる

さらに、メディカルトリビューンというサイトでは以下のように説明しています。

アルツハイマー病の脳の特徴の一つに老人斑がある。
βアミロイドというタンパク質が沈着したもので、記憶をつかさどる部分にまで広がる。
健康な人の脳でも40歳代頃から見られるが、アルツハイマー病では非常に数が多い。

老人斑とは?
加齢に伴って脳にみられる蛋白質の沈着。
アミロイドを形成して細胞外に沈着した結果、神経細胞の減少や機能低下が促進される。 アルツハイマー病で顕著にみられる。
老人斑 :医療・ケア 用語集 |ディアケア – アルメディアWeb




この仕組みは、、、

「インスリン抵抗性」とは、インスリンが効かない状態を指しますが、甘いものをたくさん食べているとこの「インスリン抵抗性」を引き起こしてしまいます。

それは、、、

膵臓から「インスリン」というホルモンが放出されることで、甘いものを取ったときに起こる血糖値を下げてくれますが、たくさん甘いものを食べる習慣を繰り返しているとインスリンが効かない状態に陥ります。

このように、、、

長い間、「インスリン抵抗性」が続いてしまうと、より多くのインスリンが血糖値を下げるために大量に必要になるのです。

インスリン分解酵素とはインスリンを分解する酵素ですが、インスリン抵抗性の状態だとこのインスリン分解酵素がたくさん消費されます。

じつは、、、

インスリン分解酵素は、「βアミロイド」も分解する役割があり、「インスリン抵抗性」の状態だとインスリン分解酵素が足らなくなって「βアミロイド」が分解されずに脳のゴミとして溜まってしまう事態に陥ります。

ですから、、、

より良い睡眠を得るためにも脳のゴミを溜めないように血糖値を上げるような甘いものを取らないこと

が大切なのです。




下のイラストは、、、

不摂生な生活から糖尿病などの生活習慣病を引き起こしてしまうプロセスを表現しています。

不摂生な生活から糖尿病などの生活習慣病を引き起こす

質の良い睡眠を取ることは、良いことばかり

前回の記事で、脳のゴミを取る仕組みを書きました。

それは、、、

睡眠状態にあるときは、グリア細胞(神経膠細胞)が縮んですき間を作り、そのすき間を脳脊髄液が流れることによって脳のゴミを脳の外へ出してくれる

という方法で、脳のゴミは睡眠中に駆除されます。

質の良い睡眠で脳のゴミを取り去り、スッキリするとカラダに良いことが起こり始めます。

それは、、、

  1. 集中力の向上
  2. 体の炎症を抑える
  3. 心疾患や脳卒中のリスクを軽くする
  4. うつ病のリスクも軽くする
  5. 食べ過ぎを防止してくれる
質の良い睡眠を取ればパフォーマンスは向上します。

質の良い睡眠は、心疾患、脳卒中、高血圧などの慢性的な血管系のリスクを下げてくれますし、高い集中力を発揮して生産性も向上します。倦怠感も軽くなります。

逆に睡眠不足の状態は、食欲が増えてダイエットの妨げにもなり、うつ病のリスクが高まります。

それは、、、

うつ病になった人の80%以上が睡眠に問題を抱えていた

というデータがあります。

また、寝不足によって体全身の炎症を引き起こします。これは、長い期間炎症があることで炎症性腸疾患(IBD)などにつながるのです。

より良い睡眠を取りましょう
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)とは?
腹痛・下痢・血便・発熱等の症状が良くなったり(寛解)、悪くなったり(再燃)を繰り返すことが特徴で、炎症が直腸から口側に広がる性質があり、重症化すると深い潰瘍から穿孔を起こしたり、長期間炎症が続くことで大腸がんを合併したりする場合もある。

炎症性腸疾患 – 日本赤十字社医療センター

 





ではでは。

 





参考にしたサイト
厚生労働省:令和元年「国民健康・栄養調査」
一般社団法人認知症協会:睡眠で脳のゴミが掃除される!認知症予防に良い睡眠とは?
メディカルトリビューン:アルツハイマー病、糖尿病で発症率2倍―合併で双方悪化
スマート脳ドック:睡眠が体に与える恩恵とは? 睡眠が脳のゴミを掃除しているってほんと?
スタディハッカー:脳に「ゴミ」が溜まる3つの最悪習慣。今すぐ改善すべきは就寝前の “あの行動” だった。
ナショナルジオグラフィック日本版:睡眠不足は立派な「病気」です!



photo by
UnsplashLouis Hanselが撮影した写真

 





 





 





 





タロ

久永 広太郎(ヒサナガコウタロウ)

あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。