インターソルト・スタディの免疫学調査の結果から
塩分と血圧の関係は、いろいろと取り沙汰されています。
このブログでも数回取りあげてきました。
たとえば、、、
減塩食品ばかり摂ると「イライラするし、ちょっとうつ状態」になったりします。それは塩分不足じゃないですか?」
とか、、、
『塩分の取り過ぎ』も浮腫(むくみ)と深い関係
などなど。
今回ご紹介するのは、、、
果たして塩分の摂りすぎと血圧の関係は本当にあるのだろうか?
という研究結果です。
日本やイギリスなど32カ国、約1万人を対象に、塩分摂取量と血圧の関連を調べました。
その結果、1日の塩分摂取量が6~14グラムの人は、塩分摂取量と高血圧に相関関係がないことが判明しました。
この、、、
インターソルトスタディでは、32ヶ国、52センター、10,079人を対象者として国際的に調査されました。
それは、、、
本当に食塩摂取量と血圧とは相関関係があるのかどうか?!という本格的調査でした。
というのは、、、
それまでの調査は、調査方法や、調査条件の設定、交絡因子なども考慮に入れて血圧との関係を明確にしようという調査でした。
たとえば、飲酒とがんの関連性を調べる際、飲酒以外の因子(喫煙など)ががんの発生率に影響を与えている可能性があります。この場合、喫煙は交絡因子となる。
各センターとも20~59歳までの男女200人以上。
性別、年齢層から無作為に選び、血圧測定、採尿、問診等により調査を行った。
そして、、、
対象者10,648人を調査しました。
それは、、、
尿採取、報告書式、血圧測定に問題があったものを除き、以下の条件を考慮しています。
- 10.079人(男5,045人、女5,034人)のデータで解析
- 交絡因子としてはカリウム排泄量、N/K比、体格指数、アルコール摂取
インターソルトスタディ調査結果では、
塩分の摂取量と高血圧有病率との間には、
相関関係はないという結論。
下の図は、観づらいですが・・・
ケニアやパプアニューギニアなど、現代的な都市生活をおくれていない地域を除いては、
都市生活を営む社会では、食塩の摂取量に関係なく10~15%の高血圧患者がいる
ということが判明しました。
このインターソルトスタディの調査によって、、、
アメリカやヨーロッパでは、食塩の摂取量を規制するのは行きすぎではないか!?
と、いわれています。
インターソルトスタディがもたらした塩分と血圧の関係
インターソルトスタディの調査結果は、、、
ということ。
これは、私たち日本人が「日頃減塩減塩」といっているのと真逆の話です。
というのは、、、
これは、、、
日本高血圧学会が推奨する『1日6グラム』もはるかに倍以上超えています。
食塩摂取量が少ない都道府県の方が高血圧で死亡する
日本では、寒い地域が塩分量の摂取が多いといいます。
- 山梨、青森、福島、福井など寒い地方の食塩摂取量が多い
ですが、、、
高血圧疾患による男性の死亡率は、大阪、福岡、佐賀などが高いという厚生労働省の調査結果
があります。
塩分摂取量が最も少ない人ほど、
脳卒中や心筋梗塞になりやすい
驚くべき調査結果があります。
それは、、、
アメリカのドクターであるアルダーマン医師の生活調査結果です。
1985年に約20万人を対象にした調査でイギリスの医学誌『ランセット』に発表されました。
それは、、、
塩分摂取量が最も少ないグループは脳卒中や心筋梗塞になりやすく、
最も摂取量が多いグループ(8.94~12.80グラム)の脳卒中・心筋梗塞の有病率が最も低かった。
というものです。
世間で云われている「減塩」とは何なのでしょうか?
さらに、血圧に関して驚くことがあります。
降圧剤を服用している人ほど、認知機能が低下した
僕の周りにも多くの人が「降圧剤」を服用しています。
それも毎日欠かさず飲んでいるのです。
が、イタリアの調査ではビックルする報告があります。
それは、、、
高齢の軽度認知症患者172人を対象に血圧と認知機能低下の関連が検証されました。
その結果、
降圧剤で血圧が低くコントロールされた患者ほど認知機能が低下していた
というのです。
さらに、、、
ED(インポテンツ)になる可能性が大きいのです。
降圧剤の副作用は日本性機能学会が監修する『ED診療ガイドライン』に明記されている。
2006年にギリシャで実施された調査では、降圧剤を服用した高血圧患者の40.4%がEDに罹患したという。
また、1つの降圧剤よりも複数の降圧剤を併用している患者の方がED罹患率は高かった。
あらい薬局:「塩分が高血圧の犯人」説を覆す衝撃的な論文とはより
なぜ?塩分と血圧の関係が広まったのか・・・
これは、意外と有名な話かも知れません。
1954年にアメリカのダール博士による日本での調査報告から世界中に、瞬く間にい拡散されました。
というのは、、、
鹿児島と青森を含む世界5地域を調べたところ、1日の塩分摂取量が14グラムの鹿児島の高血圧発症率が20%であるのに対し、28グラムの青森では40%だったことが原因
さらに、追い打ちをかけるように、、、
アメリカのメーネリー博士が、1972年に行った実験が拍車をかけました。
それは、、、
10匹のラットに毎日20~30グラムの食塩を摂取させたところ4匹が高血圧になった。
というもの。
これは、驚くべき実験です。
というのは、、、
ラットに使われた塩は、人間に換算すると500gにも相当します。
この塩分の量は、厚生労働省の規定の約63倍にもあたり、あまりにも非現実的な量
だからです。
ではでは。
参考にしたサイト
たばこ塩産業:インターソルト・スタディ
あらい薬局:「塩分が高血圧の犯人」説を覆す衝撃的な論文とは
UnsplashのEmmy Smithが撮影した写真
あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。 |