ガン細胞の代謝は非常に高い
ガン細胞は、グルコース(糖質)を大量に取り込むことが分かっています。
これは、、、
正常細胞の3〜8倍ものグルコース(糖質)を取り込んでいる
と、いわれています。
ガン細胞はなぜグルコース(糖質)を大量に取り込むのか?
ガン細胞はなぜグルコース(糖質)を大量に取り込むのでしょうか?
その仕組みは、、、
正常細胞であれば、細胞にグルコース(糖質)を取り込むとピルビン酸になります。
そして、ミトコンドリアに取り込まれてエネルギーになります。
ところが、、、
ガン細胞の場合、グルコース(糖質)を取り込むとピルビン酸になり、乳酸に取り込まれるようになります。
ということで、、、
ガン細胞は、グルコース(糖質)のほとんどを乳酸の方に代謝する
ようになるのです。
ガン細胞と乳酸の関係とは
ガン細胞は、乳酸を元気にさせます。
乳酸が元気になると、私たちの体にとって大切な免疫力が低下します。
ガン細胞は、毎日3000〜5000個生まれていますが、免疫力のおかげでこれらのガン細胞は死滅しています。
しかし、、、
ガン細胞は、乳酸を増やすことで増大し、免疫細胞の機能を低下させ、浸潤しまた転移していくのです。
たとえば、、、
乳酸は、乳ガンに関わる変異遺伝子の発現を150〜800%増加させた。
というデータもあります。
乳酸は、ガン発生のスイッチを押してしまうもの。
なのです。
さらに、、、
乳酸は、発ガン、血管新生、免疫力の低下、がん細胞の移動、転移を増長させる。
そして、、、
がんの自給自足の代謝を促進させる
のです。
がん代謝の再検討:発がんのための乳酸生成がヴァールブルク効果の目的と説明となる可能性がある
carcinogenesis. 2017 Febu 1;38(2):119-133
このような仕組みを分かりやすく解説した記事がありましたのでご紹介します。
解糖系とミトコンドリア系
エネルギ―を得るには、2つの系統があります。1つは解糖系で、もう1つがミトコンドリア系です。
解糖系は、細胞質で酸素を使わず、低体温の環境で働きエネルギーを生成します。糖質を分解し、ピルビン酸を経由して乳酸をつくり出す過程で、脳のエネルギーであるATP(アデノシン3リン酸)を瞬時につくります。グルコース(ブドウ糖)1分子当たり、2分子のATPが生成されます。
骨格筋(白筋)、精子、再生上皮細胞、骨髄細胞、ガン細胞など分裂の盛んな細胞は、解糖系のエネルギ―を主体に活動します。瞬発力と分裂に使われます。
ミトコンドリア系は、細胞内にあるミトコンドリア内で、酸素を使って高体温の環境で働きます。食事で得た糖や脂肪、たんぱく質を材料にしてSTPをつくりだします。グルコース1分子当たり、36分子のATPが生成されます。解糖系の18倍の効率で、安定的にエネルギ―をつくり出すことができます。骨格筋(赤筋)、心筋、ニューロン(脳神経細胞)、卵子、一般の細胞などは、ミトコンドリア系のエネルギ―を主体に活動します。
体内ではこの2つのエネルギ―系を使い分けているのです。子どものころは解糖系が優位で、加齢とともにミトコンドリア系中心にシフトしていきます。ミトコンドリア系では糖質をどんどん燃やして瞬時にエネルギーを供給する解糖系に比べて弱いながらも長く持続するエネルギーが得られます。
しかし、ストレスによって交感神経の緊張が持続すると、血管が収縮して低体温になり、解糖系のエネルギ―が主体となってきます。低体温、低酸素、高血糖の状態が続くと、ガンや糖尿病の体質となります。
糖尿病やガン予防のために、高体温、高酸素の状態にして、常にミトコンドリア系を優位に保つ必要があります。
そのためにはストレスを少なくして、副交感神経優位の状態でいられるようストレスに対処していきましょう。
いわい中央クリニック:解糖系とミトコンドリア系より
クエン酸は乳酸を減少させる
細胞にグルコース(糖質)を取り込むとピルビン酸になりますが、この時ミトコンドリアに取り込まれたらアセチルCoAによりエネルギーになります。
クエン酸回路(クエンさんかいろ)とは好気的代謝に関する最も重要な生化学反応回路であり、酸素呼吸を行う生物全般に見られる。
1937年にドイツの化学者ハンス・クレブスが発見し、この功績により1953年にノーベル生理学・医学賞を受賞している。
クエン酸に関しては、以下の記事でも紹介しています。
ハーバード大学医学部「クエン酸は腫瘍の増加を抑える」
一方、すべてがミトコンドリアに取り込まれることなく一部は乳酸に取り込まれ細胞の外に流れます。
しかし、、、
クエン酸を摂ることで、乳酸に取り込まれるのを阻害できるのです。
なので、、、
クエン酸を摂ると、細胞にグルコース(糖質)からピルビン酸、そしてエネルギーを発生させ免疫力を向上させる
のです。
脂肪酸は、ミトコンドリアに取り込まれてβ酸化を受けてエネルギーを産生します。β酸化とは、脂肪酸のβ位の炭素がミトコンドリアのマトリックス上で酸化を受けて、元の脂肪酸から炭素2個が切り出され、アセチルCoA 1分子を生じる反応です。
クエン酸を摂ること起こるダイエット効果
脂肪酸は、細胞内のミトコンドリアで、酸素を用いて二酸化炭素と水にまで完全に分解(すなわち酸化)されることにより、大きなエネルギーを放出します。
ということは、、、
脂肪酸は、ミトコンドリアに取り込まれることで大きなエネルギーを放出するということは、ダイエットにも最適な環境を作る
という、「ありがたい副産物」もあるのです。
ときめきとぴっく:クエン酸の最強な効果効能でガンを消す!多く含む食べ物一覧も!
前述した、参考記事にも以下のように書かれてありました。
ミトコンドリア系では糖質をどんどん燃やして瞬時にエネルギーを供給する解糖系に比べて弱いながらも長く持続するエネルギーが得られます。
ということは、、、
瞬発的な力を出して乳酸を発現させるのではなく、散歩のような軽い有酸素運動を行い、どんどん糖質を燃焼させることでダイエット効果がマスと云うことになります。
クエン酸を摂取すると、以下のようなことがおこります。
- 癌細胞のエネルギー化を阻害
- 癌細胞の成長増殖を阻害
- インスリンが大量に出ないように抑える
- 癌細胞増殖経路の阻害
また、、、
- 癌細胞のアポトーシス(自殺)を促進
- 免疫の活性化(T細胞、サイトカイン)
- 分化の誘導
クエン酸を多く含む食品
柑橘類の果汁やその抽出物は、ガンの予防効果が高いことが研究結果で分かっています。
柑橘類のジュースとその抽出物の抗がん作用の可能性: 前臨床研究と臨床研究の両方の系統的レビュー
Front Pharmacol. 2017; 8: 420
- 梅干し 7 (天日塩を使用した梅干しを選びましょう)
- カボス 6 (カボス果汁でOKです)
- ライム 6
- レモン 3
- 青大豆 1.7
- グレープフルーツ 1.1
- キーウイ 1
- オレンジ 0.8
- パイン 0.7
- イチゴ 0.7
カボスと同じぐらい豊富な果物は、沖縄のシークヮーサーもよいでしょう。
シークヮーサーは、より果物として食べやすく美味しいのでおすすめです。
クエン酸の1日摂取目標は
- 健康状態が通常の場合、一日3グラム
- 予防対策として、一日5~15グラム
- 治療効果には、一日10グラム~30グラム
クエン酸を摂るタイミングとは
- 食事中または食後がベスト
- 胃腸が弱い人は、濃度を薄めて少しずつ摂取しましょう。
- 酸性のため歯を溶かさないよう注意してください。
- 水か果汁に粉末やサプリメントを混ぜて飲むのがお勧めです。
- カボス果汁は無糖の炭酸水で割ると飲みやすいです。
ではでは。
参考にしたサイト
いわい中央クリニック:解糖系とミトコンドリア系
看護ルー:糖質の代謝はどのように行われるの?
柑橘類のジュースとその抽出物の抗がん作用の可能性: 前臨床研究と臨床研究の両方の系統的レビュー
ときめきとぴっく:クエン酸の最強な効果効能でガンを消す!多く含む食べ物一覧も!
がん代謝の再検討:発がんのための乳酸生成がヴァールブルク効果の目的と説明となる可能性がある
あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。 |