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医薬品や農薬、殺虫剤などさまざまなものに使用される化学物質:環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)

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医薬品や農薬、殺虫剤などさまざまなものに使用される化学物質

前回のブログで、多くの環境で化学物質が使われて環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)が発生するリスクがあるとお伝えしました。

化学物質なのに本物のホルモンのようにふるまう環境ホルモンは、あなたの暮らしの中に多く潜んでいます。

環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)の問題は、大きな社会問題

以下のようなものに使用されています。

  1. 医薬品
  2. 有機塩素系殺虫剤
  3. ポリ塩化ビフェニル
  4. アルキルフェノ-ル類
  5. 植物性エストロゲン
  6. ポリカ-ボネ-ト
  7. ポリスチレン
  8. ポリ塩化ビニル など
環境ホルモンの問題について
内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の問題が出てきた当初は、生殖と不妊の問題が大きいされていました。
しかし、現在では私たち生物与える影響が非常に大きいと言わざるえません。
それは、知能の発達、行動、病気への抵抗性、自己免疫疾患、体重制御(肥満)など、さまざまな影響が懸念されています。この懸念を受けて多くの研究者があらゆる角度から研究しています。
まさに社会問題なのです。

医薬品

合成ホルモンは、内分泌系などに作用するので医薬品としても活用されいます。

また、肉牛にも。

たとえば、、、

日本食肉消費センターのページでは、以下のような説明があります。

合成ホルモン
化学的に合成されたホルモン剤。女性ホルモンには家畜の肥育期間を短縮し、肉質をやわらかくする効果がある。

しかし、、、

流産の防止を目的に使用された合成ホルモン剤の一つジエチルスチルベステロールが、発がん率を上昇させたとの報告があってから、合成ホルモン剤の安全性が疑われるようになった。

なお、、、

日本では1967年以降、その使用が禁じられている。

DDTに代表される有機塩素系殺虫剤

DDTは、第二次世界大戦後、世界的に衛生面が悪くなりシラミやダニの駆除に多く使われてきました。

しかし、、、

ジクロロジフェニルエタン系殺虫剤(DDTやその代謝物(DDD、DDE)など)、シクロダイエン系殺虫剤(クロルデン、オキシクロルデン、t-ノナクロ-ル、ヘプタクロ-ル、ヘプタクロルエポキシサイド、アルドリン、ディルドリン等)、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサクロルシクロヘキサンなどのは、

化学物質の多くは分解しにくく、しかも生体内に濃縮され蓄積します。

現在では、先進国では使用されていません。

でも、マラリアが猛威を振るう亜熱帯や熱帯地域の多くの国々では依然としてDDTを必要としています。

マラリアが猛威を振るう亜熱帯や熱帯地域の多くの国々では依然としてDDTを必要としています。

ポリ塩化ビフェニル

使用や製造が禁止されているポリ塩化ビフェニル(PCB)。

ポリ塩化ビフェニル(PCB)やと化学工業副産物のダイオキシン類は、熱交換媒体や粘着剤、耐炎剤、絶縁溶剤などと工業用途から家庭生活まで幅広く長い期間にわたって使用されてきました。

昭和43年にポリ塩化ビフェニル(PCB)に汚染されたライスオイルによる中毒(カネミ油症事件)が発生するなど毒性が問題となり、日本では昭和47年以降は製造されていません。

が、、、

ポリ塩化ビフェニル(PCB)の問題は、現在でも問題があります。日本国内では約5万トンが使用されましたが、廃棄処理が難しく、PCB廃棄物も保管されていたようですが、30年以上たった今では紛失や行方不明といった問題が発生しています。

これにより、、、

第2のカネミ油症事件や環境汚染が懸念されています。

国際的にも、、、

有害な化学物質を地球から無くそうという動きが加速しています。

アルキルフェノ-ル類

江戸川河川事務所のホームページでは、「アルキルフェノール類」に関して以下のように説明しています。

アルキルフェノール類は、ベンゼンの水素を水酸基(OH)とアルキル基(CnH2n+1)で置換した化合物の総称で、ノニルフェノールやオクチルフェノールなどが含まれます。
アルキルフェノール類の主な用途としては、非イオン界面活性剤(アルキルフェノールエトキシレート)の製造原料、プラスチックの酸化防止剤の原料、塩化ビニールの安定剤原料などがあります。

アルキルフェノール類
ホルモン作用の疑いがあるといわれており、水質汚濁防止法の要調査項目(300物質)に登録されています。
ホルモン作用の疑いがあるといわれており、水質汚濁防止法の要調査項目(300物質)に登録されている

植物性エストロゲン

大豆などのマメ科に多く含まれているエストロゲンをイソフラボンといいます。

これは、

自然の産物であります点で他の化学物質とは異なっていますが、家畜や大量摂取するなどのときは問題となる環境物質のひとつです。

たとえば、、、

大豆製品によくあるイソフラボンは、現在では大人気ですがゲニスタインが含まれています。よく知られているところでは、羊が大量のムラサキツユクサ(ゲニスタインが多く含まれる)を食べると生殖異常を起こします

さらに、、、

閉経女性が70~75mg以上のイソフラボンを5年間以上にわたり摂取した場合、子宮内膜が増殖し、子宮体がんのリスクが増える

かも知れない。(冬城産婦人科医院:植物性エストロゲンの摂取について)より

イソフラボンを5年間以上にわたり摂取した場合、子宮内膜が増殖し、子宮体がんのリスクが増えるかも

ポリカ-ボネ-ト


ポリカ-ボネ-トは硬度、透明性が高いことから、食器、コンパクトディスク、車のランプカバ-、OA機器等に使用されています。

ポリカ-ボネ-トは、現在のところ厚生労働省の検討会の中間報告では、人体に影響を及ぼすレベルではないとの結論が出されています。

が、、、

研究者などからポリカーボネート製食器から内分泌かく乱物質として疑われているビスフェノールAが微量ではあるが溶出する

との報告があります。

ポリカーボネートは、主に学校給食で使われる食器に使用されています。

ポリスチレン

ポリスチレン
ポリスチレンは軽量で成型加工が容易であり、断熱性、緩衝性に富んでいるため、食器、家電製品、建材(断熱材)等に使用されています。
ポリスチレンは、内分泌攪乱化学物質として疑われています。

ポリスチレンは、賛否両論ですが、、、

内分泌攪乱化学物質と疑われているものにはトリブチスズのように酵素阻害によりその作用を発現するもの、ダイオキシンのように他のレセプタ-との結合によりその作用を発現するものも含まれており、内分泌攪乱作用自体を否定することはできません。

ポリ塩化ビニル(PVC)

ポリ塩化ビニル(PVC)
ポリ塩化ビニル(PVC)は、硬度の調整ができることから、食器、ビニ-ルシ-ト、農業用ビニ-ルシ-ト、建材等に使用されています。
このプラスチックは、可塑剤としてフタル酸ジエチルヘキシル等を加えて柔らかくすることができます。
この可塑剤として使用されているフタル酸エステルが内分泌攪乱化学物質の一つとして疑われています。

たとえば、、、

合皮やビニールなどのやわらかい軟質塩ビからは大量に使われるフタル酸エステルが溶出することがあります(Patrick 2005, Lithner et al. 2012)。

これは、、、

消しゴムが、他のプラスチックとくっついたことがありますが、これは消しゴムから可塑剤のフタル酸が溶出した

からです。

さらに、、、

塩ビのダストがある家庭の子どもと喘息・アレルギー症状の関連性(Bornehag et al. 2004, Bornehag et al. 2005)や、子どもに見られる発達障害の1つであるADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)との関連性が指摘されています(Kim et al. 2009)。

プラなし生活:こんなに有害!ポリ塩化ビニル(PVC)を避けた方が良い理由より

 





環境を守る活動を!!

 





ではでは。

 





参考にしたサイト
プラなし生活:こんなに有害!ポリ塩化ビニル(PVC)を避けた方が良い理由
国立環境研究所:PCBをなくす
環境省 :内分泌かく乱作用とは >はじめにQ4
環境ホルモン:環境ホルモン
東洋経済:「日本人男性の精子」量も質もよくない衝撃事実
NHK:ニッポン “精子力” クライシス
GQ:止まらない精子減少の行方──人類の終わりのはじまり?
WIRED:「欧米男性の精子数、40年で半減」は少子化につながる? イスラエルでの研究結果から判明

 





 





 





photo by
UnsplashRaimond Klavinsが撮影した写真
kone kassoumによるPixabayからの画像
Foto de OCG Saving The Ocean na Unsplash

 





タロ

久永 広太郎(ヒサナガコウタロウ)

あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。