« home »

「20世紀最大の医学上の進歩」と賞賛された経口補水液。これらか暑くなる季節、いつもそばに置きましょう。

20世紀最大の医学上の進歩経口補水液 あいがとや商品

経口補水液の実力。バングラデシュでコレラの死亡率を30%から3.6%に引き下げた

1971年東パキスタンは、内戦状態にありました。

多くの民衆は、難民となり隣接したインドでは難民キャンプを張っていました。

彼等の衛生環境は劣悪な状態であり、コレラが大流行したのです。

なんと、、、

コレラ患者の3人に1人は死亡するという最悪な状況でした

死亡率を30%から3.6%に引き下げた

この時に、、、

コルカタ(旧カルカッタ)にあるジョンズポプキンス大学研究所の医療班は粉末の経口補水液(ORS)を持ち込み、経口補水療法(ORT)を施したのです。すると、コレラによる死亡率は、30%から3.6%までに落ちたのです。

この奇跡的な経口補水液の力に医学雑誌『ランセット』(1978年)では、、

『20世紀最大の医学上の進歩』であると経口補水療法(ORT)を賞賛した

のです。

経口補水液(ORS)とは

『20世紀最大の医学上の進歩』と賞賛された経口補水液ですが、何が凄いのでしょうか。

難民キャンプの劣悪な環境から発生したコレラですが、これに感染すると極端な脱水症状を引き起こしてしまいます。

脱水症状は、点滴によって防止することができますが当時のインドではかなわないことでした。

そこで、脱水症状を和らげてくれたのが『経口補水液(ORS)』でした。

経口補水液は、点滴に近い成分になっています。それは適度な塩分と電解質、糖質によってできています。これを飲むことで脱水症状が和らいだのです。
電解質が含まれた経口補水液
電解質が含まれた経口補水液

経口補水液の重要性に関しては、以下の記事でも紹介しています。

熱中症対策は、キュウリと天日塩とミネラルで

覚えよう!熱中症対策は、キュウリと天日塩とミネラルで乗りこえる!

市販の経口補水液は高価です。自分で作って飲みましょう

市販の経口補水液は、よくCMでも流れておりたくさん流通しています。が、とても高価なのが難点です。

さらに、市販の経口補水液には1本あたり角砂糖が2個分入っています。糖分の摂りすぎには、注意が必要です。



なので、、、

経口補水液は、簡単に自宅にある物を使って作れるので自作しましょう。

材料は、下の表のもの。
水、塩(天日塩)、砂糖

1リットル
小さじ1/2(3g)
砂糖大さじ4+1/2(40g)

たったこれだけで経口補水液が作れます。

これから暑くなる季節、散歩やハイキングの時に持ち歩く良いです。

スポーツドリンクと経口補水液の違いとは

よく勘違いしやすいのが、スポーツドリンクと経口補水液。

どちらも同じ様なものだと勘違いしている人が多いです。

ですが、スポーツドリンクと経口補水液は違いがあります。

それは、、、

経口補水液の糖分は、2%。スポーツドリンクの糖質の濃度は6%。

この、、、

経口補水液の糖分は、2%という濃度は水分・電解質・ブドウ糖を最もスムーズに吸収することができるちょうど良い濃度

なのです。

  • 500ccのスポーツドリンクの糖質濃度6%というのは、スティックシュガー10本分の砂糖が入っていることになります
500ccのスポーツドリンクにはスティックシュガー10本分の砂糖が入っている

脱水症状を簡単に改善させる経口補水液の凄さ

私たちの体は、1日に2.5リットルもの水分(体液)が消費されます。

この、、、

体液は、体の機能を維持するために必要な物質が多くすくまれています。脱水症状とは、このカラダに必要な水分と電解質が同時に失われたときに発症する生命活動が維持できなくなる危険な症状

なのです。

  • 1日に2.5リットルもの水分がなくなりますが、私たちは自然と同量の水分を食事や飲み物から補っています。

ただ、、、

下痢や嘔吐によって水分が著しく失われるときがあり、このようなときには積極的に経口補水液を摂る必要があります




先程のバングラデシュ難民キャンプで起こったコレラの時に経口補水液がどのような働きをしたのか?

というと、、、

ナトリウム・ブドウ糖共輸送機構
経口補水液に含まれているナトリウムとブドウ糖を同時に摂取することで、小腸にいる共輸送体の働きによって同時に吸収されます。この働きによって水分も受動的に吸収される

のです。

この「ナトリウム・ブドウ糖共輸送機構」によって、激しい脱水症状を起こすコレラや激しい下痢や嘔吐によってなくなった水分も補えるというわけです。

お酒を飲み過ぎたときにも経口補水液を

経口補水液は、病気の時だけで活用するものではありません。日常での生活でも十二分に発揮します。

たとえば、、、

お付き合いでお酒を飲むとき。飲み過ぎたときなどに経口補水液を飲んでおくと翌日が楽になります。

お酒を飲みすぎたときに経口補水液を
お酒を飲みすぎたときに経口補水液を

お酒を飲んだときのシメにラーメンなんでカラダに悪いですよね。
それは、酔ったカラダが水分と糖分を欲しがっているからです。

経口補水液を飲むと水分も糖分・塩分も補えるので、お酒の後に経口補水液を飲むと翌日は快適になります。

 





経口補水療法(ORT)とは

経口補水療法(ORT=Oral Rehydration Therapy)は、近年開発された「脱水症の治療法」のひとつです。

近年脱水症状になるケースが増加しています

現在の私たちの環境は、災害やパンデミック、紛争、そして化学物質や添加物などの劣悪な食物環境などなど・・・

一般の市民が健康被害に遭遇する機会が増えているのです。

それに伴い、脱水症状を引き起こす人々が多いのが現実です。

脱水症状と聞くとすぐに思い出すのは熱中症ですが、
一昔前は、「日射病」といってたいした病ではなかったのですが、現在では深刻な病気の1つになっています。

その理由は、、、

熱中症が重症化した理由
たんなる日射病だったのに、死亡者が出るような病気なった熱中症。この原因は、日々私たちが食べている食物にミネラル分が含まれていないのが最大の原因だと考えます。脱水症状を起こす大きな原因のひとつは、このミネラル不足にあります。

以下にあげる、経口補水療法(ORT)の文章は、雪の聖母会聖マリア病院 臨床・教育・研究本部長である靍 知光氏が監修したものです。

ご一読ください。

「経口補水療法(ORT=Oral Rehydration Therapy)」を知っていますか?
経口補水療法(ORT=Oral Rehydration Therapy)。医学的には、体液の補給および維持を目的とした経口補水液を飲ませて脱水状態を改善させる治療法です。世界的には、開発途上国を中心に発展し、近年、欧米の先進各国でも普及してきましたが、日本では、2000年代になってから特に小児や高齢者に対して実施されるようになり、最近では熱中症に対しても推奨されるようになってきました。

私たちにとって、すでに身近なものになりつつある、熱中症や下痢・おう吐時に起こる脱水状態の時に、経口補水液を飲んで脱水状態を改善し、回復させていくことだと覚えてください。

日本では、2015年に日本救急医学会の『熱中症ガイドライン2015』が公表され、その中で、熱中症患者に起こる脱水改善のために経口補水療法の活用を推奨。2017年には、日本小児救急医学会が公表した、『小児急性胃腸炎診療ガイドライン2017年』においても重症でない場合は、経口補水療法が推奨されています。

「経口補水療法(ORT=Oral Rehydration Therapy)」を知っていますか?より

経口補水液、飲み過ぎには注意

最後に、、

こんなに凄い経口補水液ですが、飲み過ぎには注意してください。

糖分がスポーツドリンクまでではないにせよ沢山入っているので血糖コントロールの不良に繋がります。

また、、、

一説には、市販の500mlペットボトルの経口補水液には角砂糖が、6〜7個分も入っているという情報もあります。

糖尿病を疑われる方には、長期間の飲用は避けたほうがよいでしょう。

市販の500mlペットボトルの経口補水液には角砂糖が、6〜7個分も入っている
市販の500mlペットボトルの経口補水液には角砂糖が、6〜7個分も入っている

 





ではでは。

 





 





ネラルくんで経口補水液を
ミネラルくんで経口補水液を

 





 





参考サイト:
家飲みでつぶれない!…医師が教える「二日酔い予防の簡単なコツ」
「経口補水療法(ORT=Oral Rehydration Therapy)」を知っていますか?
スポーツドリンクと経口補水液の違い

Photo by Jusdevoyage on Unsplash
Photo by Julie Ricard on Unsplash

 





 





 





タロ

久永 広太郎(ヒサナガコウタロウ)

あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。