環境ホルモンが高濃度で検出された妊婦から生まれた男子は、ペニスも短く精巣が小さい傾向があります
妊娠中の尿検査で、環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)が高濃度で検出された女性から産まれる男子は、肛門性器間距離(AGD)が短く、ペニスも短く精巣が小さい傾向がある。
この事実は、本当に衝撃的でした。
知らず知らず普通に生活していく中で、体に環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)が高濃度で溜まっていくというのは、非常に恐ろしい話です。
男子になるのか女子になるのかは多くのホルモンが関わっている
X染色体が2つのものが女の子、Y染色体のあるものが男の子。
一旦、男女の別が決定するともう後戻りはできません。
卵子が受精して6〜9週あたりで性腺が、女の子なら卵巣のもとになり、男の子ならば精巣のもとになります。
男女別には、ホルモンが誘導して形成されるようです。
ホルモン名 | 部位 | 主な作用(腸整作用) | 代表的な疾患 | |
分泌過剰 | 分泌不足/レセプタ-異常 | |||
成長ホルモン | 下垂体 | 下垂体成長の亢進 | 巨人症末端肥大症 | 小人症 |
甲状腺ホルモン | 甲状腺 | 代謝の亢進 知能・成長の調整 | 甲状腺機能亢進症 (バセドウ病) | 甲状腺機能低下症 |
インシュリン | すい臓 | 血糖の低下 | 低血糖症 | 高血糖症(糖尿病) |
副腎皮質ホルモン | 副腎 | 代謝、免疫等の調整 | クッシング症候群 | アジソン病 |
エストロジェン (女性ホルモン) | 卵巣 | 女性化(月経・乳腺) 卵子の発育、排卵 | 子宮内膜症、膣ガン 乳がん、不正出血 | 女性器の発育 異常月経不順 |
アンドロジェン (男性ホルモン) | 精巣 | 男性化 精巣の発育、精子合成 | 二次性徴の早期出現 | 男性器の発育異常 無精子症 睾丸性女性化症候群 |
上記の表では、、、
ホルモンの作用とホルモンの過不足によって、バセドウ病や低血糖症、乳ガンや無精子症などの疾患が発生する
と思われます。
環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)のメカニズム
このブログ記事では、何回も環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)がしでかす弊害について取りあげてきました。
巻末にそのブログ記事を掲載しておきます。
環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)のメカニズムについてですが、、、
ホルモンは、それぞれの固有の受容体に結合して細胞のプログラムに反応します。
ですが、環境ホルモンが受容体(レセプター)に結合してしまうことで、遺伝子が誤った指令を受けてしまうことで弊害が生じるというメカニズム
なのです。
この、、、
受容体(レセプター)が環境ホルモンと結合して、クッシング症候群やアジソン病、そして糖尿病などのを引き起こす
と、考えられています。
たとえば、、、
視床下部の性腺刺激ホルモンに環境ホルモンが、直接作用すると生殖機能に影響をおよぼす
など。
すべてがすべて環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)の罪にするわけではないですが、多大な影響があると疑われます。
以下、環境省の『化学物質が内分泌をかく乱する仕組みを教えて下さい』より
受容体に結合して、ホルモンのふりをする(促進)
本来のホルモンの代わりに、かく乱作用を持つ物質が結合してホルモンのふりをします。
その結果、本来よりも指令がたくさん出されてしまいます。
受容体に結合して、ホルモンの邪魔をする(阻害)
本来のホルモンの代わりに、かく乱作用を持つ物質が結合してしまい、必要な指令が出されなくなってしまいます。
受容体に結合せず、ホルモンホルモンの生合成、代謝を促進/阻害する
本来のホルモンの代わりに、かく乱作用を持つ物質が結合してしまい、必要な指令が出されなくなってしまいます。
受容体には結合せず、かく乱作用を持つ物質がホルモン自体の合成を邪魔したり促したりします。
その結果、必要な指令が出されなくなったり、本来よりも指令がたくさん出されてしまいます。
受容体の数を増やしたり減らしたりする
かく乱作用を持つ物質が受容体の数を増やしたり、減らしたりします。
その結果、必要な指令が出されなくなったり、本来よりも指令がたくさん出されてしまいます。
本来のホルモン量の調節(フィードバック)を狂わす
かく乱作用を持つ物質によってフィードバックが行われなくなると、必要のない指令が出され続けます。
さまざまなものに使用される化学物質
現状では、未解明なことも多い環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)ですが日本での使用や輸入が禁止されているものも多いのが現実です。
それは、、、
農薬などの有効成分、工業化学物質や医療品などで、PCB、DDT、クロルデンなど既に日本では生産、使用、輸入等が禁止されているものも含まれている
のが現状なのです。
- 医薬品
- 有機塩素系殺虫剤
- ポリ塩化ビフェニル
- アルキルフェノ-ル類
- 植物性エストロゲン
- ポリカ-ボネ-ト
- ポリスチレン
- ポリ塩化ビニル など
たとえば、、、
DDTに代表される有機塩素系殺虫剤には、、ジクロロジフェニルエタン系殺虫剤(DDTやその代謝物(DDD、DDE)等)が、使用されていますが、これらの化学物質は、分解されにくく動物や人体に濃縮されて蓄積されます。
ではでは。
参考にしたサイト
環境省 :内分泌かく乱作用とは >はじめにQ4
環境ホルモン:環境ホルモン
東洋経済:「日本人男性の精子」量も質もよくない衝撃事実
NHK:ニッポン “精子力” クライシス
GQ:止まらない精子減少の行方──人類の終わりのはじまり?
WIRED:「欧米男性の精子数、40年で半減」は少子化につながる? イスラエルでの研究結果から判明
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あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。 |