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2人に1人は経験する金縛り。睡眠のリズムが乱れると起こるその仕組みとは。

不眠症

「邪悪な老婆」とか「鬼がのしかかる」といわれてきた金縛り

睡眠をテーマに記事にしています。

前回は、『レム睡眠が1%減少すると認知症のリスクが9%増加する。』をテーマにしました。

レム睡眠が1%減少すると認知症のリスクが9%増加する。レム睡眠とノンレム睡眠を理解しよう。

前々回は、『睡眠負債』でした。

睡眠負債を解消して快適な睡眠を。知っておきたいレム睡眠とノンレム睡眠。



そして今回のテーマは『金縛り』です。

金縛りを経験した方ならば・・・お分かりだと思いますが、、金縛りに襲われると得も言われぬ「恐怖」を体験します。

この金縛りは、古い昔から世界中で恐怖の対象とされてきました。

この絵は、金縛りをイギリス人画家ヘンリー・フュースリーが18世紀に描いた『夢魔』。
悪魔が、体に乗っていていかにも恐怖を感じます。

イギリス人画家ヘンリー・フュースリーが18世紀に描いた『夢魔

カナダでは、「Old hag(邪悪な老婆)」と呼ばれ、中国では「鬼圧身」とか「鬼圧床」。それこそ読んで字のごとく「鬼がのしかかる」感じです。

アイスランドでは「マラが来た」と呼ばれており、悪魔のようなもので人間の身体の上に乗って窒息させようとするものと信じられてきたようです。

それこそ、、、

金縛りは「人が体の上に乗って身動きできない」状態のこと

です。

キリスト教圏では、神父などが「悪魔払い」をやっていたりと「睡眠の科学」が発達していない年代には、金縛りに対してさまざまな対応がなされていました。

しかし、現在では金縛りは『霊的な現象ではない』ことが判明しています。

金縛りは、一生に2人に1人は経験するといわれていたり、
「30〜40%の人が一生に1回は経験している」ともいわれていたりします。

現代では、金縛りを医学用語「睡眠麻痺(すいみんまひ)」という睡眠障害(睡眠時随伴症)の一種

と、とらえています。

金縛りは、「睡眠麻痺」という睡眠障害(睡眠時随伴症)の一種

金縛りの経験は、だいたい10代で始まる

私たちの睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠で構成されます。

レム睡眠とノンレム睡眠で構成される「睡眠単位」

そのサイクルは、、、

睡眠のサイクルは、【ステージ2⇒ステージ2⇒ステージ3⇒ステージ2⇒ステージ1⇒レム睡眠】というサイクルで移行し、3~6回繰り返されます。通常は、90D~120分周期。

金縛りは、「睡眠麻痺」の一種といいましたが、この「睡眠麻痺」とは、、、

睡眠麻痺
入眠時または睡眠からの覚醒時に、数秒から数分間、体幹と手足を自由に動かすことができなくなる現象

阪野クリニック:睡眠麻痺とはより

金縛りの症状は・・・

  • 体が動かせない
  • 耳鳴りがする
  • 息苦しさを感じる
  • 目が開かず、声も出ない
  • 幻覚や幻聴がある
  • 悪夢を見る

かなしばりが起こってしまう原因とは何か

金縛りは、幻覚や幻聴や悪夢が起こることがある

金縛りが起こってしまう原因は、以下のようなことが考えられているようです。

  1. 睡眠が圧倒的に不足している
  2. 疲れやストレスが溜まっている
  3. 時差ボケなどで睡眠の質が悪い
  4. 仰向けで寝ている

睡眠が圧倒的に不足している

睡眠不足は、金縛りになりやすいといわれています。

それは、、、

体が睡眠バランスをとれない状態になっている。

疲れやストレスが溜まっている

疲れやストレスが溜まっていると「不眠を起こしやすく」逆に「過眠になりやすい

すると、、、

睡眠のバランスが崩れ、金縛りが起きやすい状況になります。

また、、、

精神的に辛い状況になると睡眠のバランスが安定しないために金縛りが起こりやすい

時差ボケなどで睡眠の質が悪い

金縛りは「睡眠のバランスを崩したとき」に発生する確率が高いです。

たとえば、、、

  • 仕事で海外に出張に行ったとき
  • 長旅で十分睡眠を確保できなかったとき
  • 自宅に帰ってきてリビングで寝てしまったとき
  • 普段と違う場所で寝るとき、上手く睡眠が取れないとき

以上のようなときは、「睡眠のバランス」が崩れやすいです。

仰向けで寝ている

「仰向けの姿勢で寝ている」と、金縛りにあいやすいといわれています。

理由は、ハッキリしていません。

「仰向けの姿勢で寝ている」と、金縛りにあいやすい

考えられる理由としては・・・

仰向けでの睡眠姿勢は、筋緊張が消失してもその姿勢が変わること

が考えられています。

筋緊張
筋緊張とは、筋肉の張りや硬さを指し、体を安定させたり動かすために必要な状態

そのため・・・

入眠時にレム睡眠状態が維持されやすく、金縛り体験が出現しやすい

入眠時にレム睡眠状態が維持されやすく、
金縛り体験が出現しやすい

金縛りにならない方法とは

怖い体験の「金縛り」にならない方法は、上記の項目の反対のことを行うようにしましょう。

  1. 十分な睡眠をとるようにする
  2. 疲れやストレスを溜めないようにする
  3. 時差ボケのときは無理に眠ろうとしないこと。
  4. そして睡眠の質を高めること
  5. なるべく仰向けで寝ないようにこころがける

それでも、、、

色々と試してみたけれど、、、

改善しないときは、我慢せずに睡眠外来や精神科を受診して専門家に相談しましょう。

無理せず、我慢せずに睡眠外来や精神科を受診を




金縛りから解放される方法は

「金縛り」にあったときどうすれば対処できるのでしょうか?

それは、以下のことが挙げられます。

  1. 深呼吸をする
  2. ゆっくり体を動かしてみる
  3. 心霊現象だと思わないこと

金縛りにかかったとき、カラダをゆっくり動かすことは「脳が、カラダを動かしている」ということを察知してくれるので金縛りが解けるのです。

また、注意点としては・・・

焦ってしまい、なんとか急にカラダを動かしたり、無理に動かそうとすること。

焦ってしまい、なんとか急にカラダを動かしたり、無理に動かそうせずにゆっくりカラダを動かしてみましょう。

金縛りにあったときは、焦ってしまい、なんとか急にカラダを動かしたり、無理に動かそうせずにゆっくりカラダを動かしてみましょう。

 





ではでは。

 





参考にしたサイト
ニシカワ:金縛りはなぜ起こる?睡眠専門医に聞く原因と対処法を解説!
ヤフーニュース:約4割が経験する「金縛り」 動けなくなって幻覚を見るには理由があった!?
グンゼ:【医師監修】金縛りとは?原因と解き方、改善する方法をご紹介
江戸川大学:「かなしばり」は霊のしわざか?

 





参考にしたのはこの本です。

 





 





 





 





タロ

久永 広太郎(ヒサナガコウタロウ)

あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。