またもや有名人が『浴室熱中症』の犠牲に・・・
12月、1月、2月に集中する『浴室熱中症』とは
また、有名人の浴室での犠牲者が出ました。
中山美穂さんは、54歳ととても若く・・・
死因は、高齢者に多いとされる『浴室熱中症』だと思われます。
すでに高齢者だけではなく、年齢に関係なく『浴室での溺死』は襲ってきます。
2016年には女優の白川由美さん。
2020年にも元プロ野球監督の野村克也さん。
歌手の松永ひとみさんは、53歳の若さ・・・
今回も去年と同時期に記事にした『浴室熱中症』のことを再掲します。
とても重要なことなので、このテーマはこの時期に繰り返すことが大切かと思いました。
入浴事故の8割は『浴室熱中症』
『浴室熱中症』のことを数回取りあげています。
というのは、多くの浴室事故の8割は『浴室熱中症』だからです。
この『浴室熱中症』の怖さを理解しないと、さらに浴室での死亡事故が増加します。
現在、テレビニュースなどでも、急増する『浴室熱中症』については報道していません。
ですから、なおのこと『浴室熱中症』について掘り下げてみたいと思います。
そもそも熱中症とは、何だろう!?
環境省:熱中症環境保健マニュアルでは『熱中症とは何か』について以下のように述べています。
さらに、、、
死に至る可能性のある病態です。
予防法を知って、それを実践することで、防ぐことができます。
応急処置を知っていれば、重症化を回避し後遺症を軽減できます。
と、定義しています。
熱中症はどのようにして起こるのか
環境省:熱中症環境保健マニュアルより
上の図よりわかることは、、、
熱を逃がす機能が低下すると、血液の流れが低下してしまい、体内の熱が体に溜まり熱中症を発症する
すると、、、
体内の水分・塩分が不足し、血液の流れが悪くなる
どのような環境や場所でなりやすいか!?
熱中症というと、夏場のことばかりが頭に浮かぶかも知れませんが、、、
体から外への熱放散が減少するところは、汗の蒸発も不十分となり、熱中症が発生しやすいのです。
- 高温
- 多湿
- 風が弱い
- 輻射源(熱を発生するもの)
たとえば、以下のよう場所で熱中症は発症します。
工事現場、運動場、体育館、一般の家庭の風呂場、気密性の高いビルやマンションの最上階等
熱中症にどのような人がなりやすいか
体内で逃げ場のない熱は、血液に熱を伝えます。
すると、、、
熱い血液は、体の皮膚近くの毛細血管に広がります。
体が熱くなると皮膚が赤く見えるのは、皮膚の直下の血管が拡張して血液をそこで冷やしているから
です。
その結果、、、
- 熱を運ぶための血液が減少します。
- 汗をかくことで体内の水分量が減少します。
この両方の作用によって熱を運び出す血液そのものが減少してしまい、熱を体外へ逃せなくなるのです。
これは、、、
高齢者、低栄養や下痢、感染症等で脱水気味の人も同じです。
周囲の環境の温度が高い、湿度が高い、日差しがきつい、風がない場合も、体表に分布した熱い血液をうまく冷やせないため、熱いままの血液が体内へ戻っていき、体がうまく冷えません。
体から水分が減少すると、、、
筋肉や脳、肝臓、腎臓等に十分血液がいきわたらないため、筋肉がこむら返りを起こしたり、意識がボーっとして意識を失ったり、肝臓や腎臓の機能に障害が起きます。
また、、、
高温の熱そのものもで、いろんな臓器の働きを悪化
させるのです。
冬季に高齢者の入浴中の事故が多発している
如何だったでしょうか?
真夏に発症する「熱中症」は、そのまま冬場の浴室でも簡単に起こる現象です。
以下は、鳥取市のデータですが、、、
冬場に『浴室熱中症』が多発していることが良く分かります。
8割は『浴室熱中症』なのですから。
浴室熱中症対策は?!
『浴室熱中症』は、高齢者が多いのは当然ですが、健常な人でも簡単に発症します。
ですから、冬場の入浴は十分注意が必要です。
以下のことを守るようにしましょう。
- 入浴前に浴室、脱衣所も暖めておきましょう。入浴前に浴室・脱衣所を温める
- お湯は41度以下で10分までを目安に、長湯をしないように気を付けましょう。
- 転倒防止に手すりを設置しましょう。
- 浴槽から出るときはゆっくり立ち上がりましょう。入浴前に一声
- 食事直後・飲酒後・医薬品服用後の入浴は控えましょう。
- 同居する家族がいる場合は入浴前に一声かけましょう。
ではでは。
参考にしたサイト
鳥取市:入浴中の事故を防ぎましょう!
環境省:熱中症環境保健マニュアル
中日新聞LINKED地域医療ソーシャルNEWS:入浴事故の原因でいちばん多い「浴室内熱中症」とは?
日刊ゲンダイ:「ヒートショック」から老いた親をどう守る? 年間約2万人が入浴中に死亡
ダイヤモンド:「風呂場での死亡事故」は若者にも起こり得る、知っておくべき簡単な予防法とは
あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。 |