ネコの腸の内皮細胞だけに卵を産み付けるトキソプラズマの不思議
前回のブログで、トキソプラズマに感染すると、男性は引っ込み思案になり引きこもりになってしまい、女性は逆に開放的になり活発な行動を始めると書きました。
とくに、、、
女性の場合は、性に対してはカードを緩めて不特定多数の異性と関係を持つようになる
とお知らせしました。
このようにトキソプラズマの影響は大きいのです。
統合失調症患者は、一般人よりもトキソプラズマ感染有病率が3倍も高い
今回の記事では、微生物の影響で人の性格や行動が変化するということを伝えたいのですが、
トキソプラズマを例に取るとても分かりやすいです。
統合失調症にも影響をおよぼすトキソプラズマ感染症
厚生労働省のホームページで調べると、、、
統合失調症は、脳の様々な働きをまとめることが難しくなるために、幻覚や妄想などの症状が起こる病気です。
ほかの慢性の病気と同じように長い経過をたどりやすいですが、新しい薬や治療法の開発が進んだことにより、多くの患者さんが長期的な回復を期待できるようになっています。統合失調症とは
他には、大塚製薬株式会社のホームページでは
約100 人に1 人がかかるといわれており、決して特殊な病気ではありません。
思春期から40歳くらいまでに発病しやすい病気です。
薬や精神科リハビリテーションなどの治療によって回復することができます。統合失調症とは
などと、書いてあります。
ようは、、、
脳の様々な働きをまとめることが難しく、考えや気持ちがまとまらなくなる状態が続く精神疾患
ということです。
しかし、トキソプラズマ感染症になると同様な症状が発症します。
また、、、
強迫障害や注意欠陥多動障害、トゥーレット症候群の患者の人々にはトキソプラズマに感染した例が多く、近年ますます増えている
ようです。
突然、意に反して大きな声が出たり、体が動いたりすることを繰り返す「チック」の中で最も重症なものが「トゥレット症」と呼ばれます。
症状として、まばたきや首振り、腕振りや顔のしかめ、体のねじりやジャンプ、人や物に触るといった動きとして起こる「運動チック」と、叫び声や咳払い、鼻すすり、同じ言葉を繰り返して発言したりする「音声チック」の二つがあります。
トゥーレット症候群とは
私たちの体内に住んでいる微生物がトラブルを引き起こす
私たち人間の体には100兆個を超える数の微生物(主に細菌)が存在するといわれています。
人体を構成する細胞の数が約37兆個ですから、それより多くの微生物と生活していることになります。
人体と微生物の関係
こんなに多い微生物ですから、私たち動物に良い働きをするものもあれば逆に悪影響をおよぼすもの数多く存在しています。
微生物を入れ換えると性格などが変化する
以下の実験は、マウスによるものですが、、、
肥満になったマウスの腸内微生物をやせているマウスに移すと太り始め
ます。
前回のブログでも紹介しましたが、、、
マウスにとってネコは天敵ですが、トキソプラズマに感染すると大胆な行動をするようになり、天敵のネコの匂いのする方へ命知らずで向かっていきます。
このように微生物の介入で性格や行動が変化します。
以下は、2011年にカナダのオンタリオ州、マクマスター大学での研究ですが、、、
すると、、、
逆に、、、
スイス・マウスのマイクロバイオータをBALBマウスに移すと、普段なら臆病で台から降りないBALBマウスが果敢に台から降りるようになった結果が出ました。
これらは、マウスでの実験ですが、
性格や行動が、マイクロバイオータの影響を強く受けているのは明らかです。
私たちは、性格は生まれつきのものと思いがちです。
しかし、、、
トキソプラズマやマイクロバイオータの影響で性格や行動がおおきく影響を受けているのです。
果たしてあなたは?
最後に、ユニークな実験結果を、、、
腸内に微生物が住んでいないマウスは、反社会的で他のマウスと関わり合いを持とうとせず、単独で過ごすことを好みます。
そこで、、、
微生物が住んでいないマウスや通常のマウスたちがいるケージに新しいマウスを入れるとどうなるでしょうか?
結果は、、、
通常のマイクロバイオータを持っているマウスたちは、近寄ってきて互いに挨拶をします。
が、腸内に微生物が住んでいないマウスは、よく知っている仲間のそばを離れないのです。
これは、、、
腸内に微生物が住んでいるというだけで社交的になり逆は内向的になるということではないでしょうか。
さて、読者のあなたはどうでしょう・・・・
あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた|河出文庫
あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。 |