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ビタミンD不足の日本人は、ウイルス性急性上気道炎に罹りやすい。[風邪引きと免疫3]

IgA

ビタミンDは骨を作るだけでなく、
風邪などの感染症予防にも活躍している

季節が変わり、体調を崩したり風邪をひきやすくなりました。

風邪予防と免疫力についてシリーズで記事にしています。

季節の変わり目には風邪を引きやすい。原因の9割は、ウイルス。その数200種類以上。[風邪引きと免疫1]

免疫抗体「igA」を増やすことが異物による感染から体を守る[風邪引きと免疫2]


ビタミンDは、ウイルスなどの感染予防にも効果的

ビタミンDは、脂溶性のビタミンの一つです。

また、大きく2つの種類が有名です。

ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)植物由来のビタミンDで、特にキノコなどに含まれています。
ビタミンD3(コレカルシフェロール)日光を浴びたときに皮膚で生成されるビタミンDで、魚の脂肪や卵黄、強化食品にも含まれています。

主なビタミンDの働きは、、、

ビタミンDの主な働きは、カルシウムやリンの代謝を助け、骨や歯の健康を維持するなどが有名です。

が、、、

最近の研究では、、、

感染予防にも強力な力を発揮することが分かってきました。

ビタミンDは、感染予防にも強力な力を発揮する

ビタミンD不足は、ウイルス性急性上気道炎になりやすい

イェール大学医学部内科のジェームズ・サベッタ准教授らの研究グループが2009 年秋から 2010 年冬にかけて3ヶ月間行った研究です。

カラダの中にあるビタミンDの濃度を調べる方法として、血液中の25-ヒドロキシビタミンD [25-(OH)D]を測定する方法があります。

そのコホート研究は・・・

2009年秋から2010年冬にかけて、測定対象物質の性質を知らされていない198人の健康な成人を対象に、25-ヒドロキシビタミンD[25-(OH)D]の連続月間濃度を測定しました。

その結果、ビタミンDのパワーが判明したのです。

それは、、、

25-(OH)ビタミンD値が38ng/mL未満の被験者の場合、ウイルス性急性上気道炎は100件発生

また、一方では、、、

25-(OH)ビタミンD値が38 ng/mL以上の被験者の場合、感染は3件のみと著しく減少しました。

さらに、、、

罹患日数にも大幅な短縮がみられたのです。

ですから、、、

血液中のビタミンDの濃度が低いと風邪をひきやすい

ということ。



日本人女性の半数はビタミンD不足。
風邪をひきやすいので要注意。

成人病診療研究所の白木正孝氏らの研究グループの研究では、、、

中高年の健康な500人の女性の血液中の25-(OH)ビタミンD値を調べたら、半数以上が『ビタミンD不足』であると判明しました
日本人女性の半数はビタミンD不足。
風邪をひきやすいので要注意。

じつは、、、

血液中の25-(OH)ビタミンD値が極端に少ないと骨折もしやすいのです。

ビタミンD値が極端に少ないと骨折もしやすい

日本人のビタミンD不足

中高生の調査結果では、ビタミンD不足の深刻な問題が明らかに・・・

2003~2004年にかけて東京の12~18歳の中高生1360人を対象に調査が行われました。

その結果・・・

ビタミンD欠乏は、男子で30.2%、女子で47.7%。
ビタミンD非充足は、男子で79.9%、女子で89.8%。

とくに、、、

女子では中学1年生から高校3年生へと成長するにつれ、ビタミンDの栄養状態は顕著に低下していた

のです。

国立環境研究所:最近の日本人のビタミンD欠乏より

ビタミンDが不足すると

ビタミンDが不足すると『風邪をひきやすい』ということが判明しました。

さらに、ビタミンDが不足すると以下のようなリスクが発生します。

  • 腸管からのカルシウム吸収の低下と腎臓でのカルシウム再吸収が低下し、カルシウムが不足して低カルシウム血症となる。
  • 骨の軟化し、とくに妊婦や授乳婦では骨軟化症になる。
  • 子どもの場合は骨の成長障害が起こり、姿勢が悪くなり、足の骨が曲がったり、くる病になる。
  • 骨の量が低下している高齢者は、骨粗鬆症になりやすく、骨折による寝たきりのリスクが高くなる。



ビタミンDを増やすには

以上のように、ビタミンD不足は、風邪をひきやすく、骨にも異常をきたすのが判明しました。

では、どうやって血中のビタミンD濃度を上げたら良いのでしょうか?

それは、、、

日光浴です。皮膚に紫外線が当たることでビタミンD3が生成されます。
適度に日光を浴びることが、自然なビタミンDを増やす最善の方法です。

日光を浴びることが、自然なビタミンDを増やす最善の方法

食事からビタミンDを摂る方法は

以下の表は、前回記事でも掲載しました。

食品と重さ ビタミンD量(μg)
鮭1切れ(80g) 25.6
サンマ1尾(100g)11
ブリ1切れ(80g)6.4
マアジ1切れ(80g)6.3
シラス干し(半乾燥)10g6.1
椎茸(乾燥)2個(6g)1
椎茸(生)2個(30g)0.1
エリンギ1/2パック(50g)0.6
卵1個(65g)
卵白にはビタミンDは含まれておりません。
2.5
鶏もも肉(皮つき)1/2枚(150g)0.6
モリナガ:ビタミンDの働きと摂取目安量、多く含む食品を紹介より
  • ビタミンD2が多い干し椎茸
  • ビタミンD3が多い青魚
ビタミンD2は植物由来、D3は動物由来

ですから、

積極的に日光浴をして、青魚をよく食べる習慣を身につけましょう!!

 





ではでは。

 





参考にしたサイト
日経メディカル:日本人女性の半数はビタミンD不足、厚生労働科学研究が示唆
JSOM:ビタミンDの経口摂取は急性上気道炎のリスクを低下させる
健康長寿ネット:ビタミンDの働きと1日の摂取量
倉敷中央病院:検査情報システム 25-ヒドロキシビタミンD
国立環境研究所:最近の日本人のビタミンD欠乏

 





 





 





 





タロ

久永 広太郎(ヒサナガコウタロウ)

あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。