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たった一度の転倒で寝たきりに。身体機能の低下や病気や薬、運動不足などが原因か!?

転倒

交通事故による死亡者数の5倍以上の転倒・転落事故は近年増加中

前々回の記事で、「転倒・転落」のことを取り上げました。

65歳以上の転倒・転落・墜落による死亡者数は9,509人!交通事故の2,150人の4倍以上

取り上げた理由は、、、

餅を喉に詰まらせたりの窒息や浴槽内での溺死など減少傾向にあるに、転倒・転落および墜落による事故死は増加しているからです。

前々回の記事では、交通事故死の4倍と取り上げましたが、「政府広報オンライン」によると何と5倍に達しているようです。

消費者庁のホームページ:高齢者の不慮の事故

さらに、、、

転倒・転落で怖いことは、たった一度の転倒で「寝たきり」になるケースも少なくない

のです。

「令和4年版 高齢社会白書(全体版)」によると、高齢者が、『要介護』になる原因が・・・

  1. 認知症
  2. 脳血管疾患(脳卒中)
  3. 高齢による衰弱
  4. 骨折・転倒

要介護の原因の第4位に「転倒・転落」があり、なんと13.0%も占めています。

「転倒・転落」は、要介護の原因の第4位

女性に多い転倒転落事故

消費者庁・独立行政法人国民生活センターのデータによると・・・

6年間に発生した65歳以上の高齢者による住宅での転倒事故の情報が299件寄せられました。
その内訳は・・・

転倒・転落
住宅発生299件
前期高齢者(65~74歳)
91件
後期高齢者(75歳以上)
208件

男女比

男性:112件女性:187件

女性の方が「転倒・転落」事故にあいやすいことがわかります。

転倒・転落は、庭よりも「室内全般」が多い

65歳以上の転倒・転落は、増加していますが、その事件発生地点は屋外ばかりではなく、自宅で多く発生しています。

それも、、、

転倒・転落は、庭よりも「室内全般」が多いのです。

では、自宅のどの場所が転倒・転落のリスクが多いのでしょうか?

「平成22年度 高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果(全体版)」によると、、、

  1. 居間・茶の間・リビング
  2. 玄関・ホール・ポーチ
  3. 階段
  4. 寝室

庭で転けるのが一番多いのですが、「居間・茶の間・リビング」「玄関・ホール・ポーチ」「階段」「寝室」は、すべて室内なので、庭よりも多いことが分かります。

室内でのどの場所が「転倒・転落」のリスクが高いのか?!

自宅内は、危険な場所が多く潜んでいます。
上記のデータでは・・・

  1. 居間・茶の間・リビング:20.5%
  2. 玄関・ホール・ポーチ:17.4%
  3. 階段:13.8%
  4. 寝室:10.3%
  5. 廊下:8.2%
  6. 浴室:6.2%

カーペットや敷居などのちょっとした段差、居間などの段差、そして、段差のない廊下やフローリングで足を滑らせることも

原因は、、、

加齢にともない身体機能の低下によって、ついつい『すり足』で歩きがちになっていること

だと思われます。

室内での対策は・・・

政府広報オンライン:たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい箇所は?より
  1. 転倒・転落に遭遇しないためにも以下のような対策と心がけが必要です。
  2. コードの配線は歩く動線を避ける。壁をはわせるか、部屋の奥にまとめる
  3. 引っ掛かりやすいカーペットやこたつ布団は使用しない。めくれやすいカーペットの下には滑り止めを敷く
  4. 床に物を置かない
  5. 1cmから2cmの段差はつまずきやすいので、スロープをつけるか、手すりをつけ

玄関での対策は・・・

  1. 手すりをつける
  2. 玄関マットの下には滑り止めを敷く
  3. 靴の着脱のために椅子を置く
  4. 上がりかまちが高い場合は踏み台を置く

廊下や階段での対策は・・・

  1. 手すりをつける
  2. 床に物を置かない
  3. 転倒の原因になる滑りやすい靴下やスリッパは使用しない
  4. 足元がよく見えるよう照明を明るくする
  5. 階段にすべり止めをつける

寝室での対策は・・・

  1. ベッドを壁に面するように配置し片方からの転落リスクをなくす
  2. ベッドガードと呼ばれる柵を利用する(※)
  3. 万が一、転落しても衝撃が緩和できるよう低床のベッドに変更する
  1. 椅子に座って着替える
  2. 入口の段差が高い場合は、すのこやスロープで段差を小さくする
  3. すべりにくい床材にするか、すべり止めマットを敷く
  4. 手すりをつける




高齢者の転倒の原因を探ると・・・

転倒・転落の原因を探ると、以下の2つの原因が考えられます。

  • 生活環境からの「外的要因」
  • 身体的な「内的要因」

転倒・転落の外的要因とは

転倒・転落の外的要因とは、先程述べた・・・

住宅内に潜む「小さな段差」や滑りやすいフローリング、手すりのない階段や廊下

さらに、、、

適切なベッドの高さとか脱衣所やトイレ浴室といった場所での手すりの有無
高齢者は、歩幅が小さく、すり足なので転倒しやすい

ということで、、、

環境の改善が外的要因のリスクを減らすことに繋がります。



転倒・転落の内的要因とは

転倒・転落の内的要因は、シンプルに、、、

病気や疾患、加齢による筋力の低下、身体機能の低下

が、考えられます。

転倒・転落の内的要因とは、病気や疾患、加齢による筋力の低下、身体機能の低下

たとえば、、、

  • 薬の副作用による足元のふらつきや眠気、意欲の減退など

とくに、、、

多くの薬を服用している場合が多く、薬の副作用もかなりの要因になっています。

 





ではでは。

 





参考にしたサイト
イリーゼ:高齢者の転倒の危険性とは?原因を把握して寝たきりになるのを防ごう
政府広報オンライン:たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい箇所は?

 





 





 





 





タロ

久永 広太郎(ヒサナガコウタロウ)

あいがとや店主。有限会社グランパティオ代表。グラフィックデザイナー。アートディレクターを経て情報誌「パティオ」を発刊し自然災害や公害問題、健康被害などの問題に目覚める。週末は、もっぱらアウトドアにひたすら勤しむ。