高血圧とカリウムの関係とは
カリウムは、体内に存在するミネラル(電解質)のひとつで、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどと同様に多量ミネラルに属します。
そして、細胞内で最も多い多量ミネラルです。また、ナトリウムと共同して働くことが多く、カリウムとナトリウムは、『ブラザーイオン』と呼ばれています。
さらに、体重のおよそ0.2パーセントを占め、成人の体内に120g〜200g存在しています。このうち98%が細胞内に存在し、残りの2%は細胞外に存在しています。
カリウムの働き
食物から摂取されたカリウムは、小腸で吸収されてその量は、血中の濃度がしっかりと調整されています。
ナトリウムと共同して働くことが多く、カリウムは細胞の浸透圧を維持したり、酸・塩基均衡の維持、神経伝達、心臓機能や筋肉の機能の調節、そして、細胞内の酵素反応の調節などの働きをしています。
塩分の摂りすぎを調節する役割も担っており腎臓でナトリウムが再吸収されるのを防いで、排泄を促してくれています。
高血圧とカリウムの関係性は
カリウムは、ナトリウム(塩分)を尿などによって体外へ排泄する作用があるために、『塩分の摂り過ぎ』となる高血圧の予防になっています。
カリウムをたくさん摂ることで、脳卒中のリスクが24%も低下するともいわれています。
カリウム摂取量が少ないと血圧上昇、高血圧、脳卒中のリスクが増加し、多ければこれらの疾患は予防される可能性が指摘されています。
『低カリウム血症』
低カリウム血症とは、風邪などのさまざまな原因によって、下痢や嘔吐などで血液中のカリウムの濃度が低くなってしまう病気のこと。
それは、細胞内の浸透圧の調整や筋肉の収縮、神経の興奮などの関わっていますが、血液中のカリウムの濃度が不足すると、筋肉の動きや神経の働きに異常が起こり、身体に、悪心や嘔吐、便秘や痙攣などのさまざまな症状を引き起こします。
考えられる原因は、過度なダイエットによる食事制限や偏食、拒食症または食欲不振。嘔吐や下痢などによる大量のカリウムの排泄。血液中から細胞内へのカリウムの移動などが原因と考えられます。さらに、漢方薬の甘草も原因となります。
また、『低カリウム血症』と、生活習慣病やや腎臓病、糖尿病、心臓病、高血圧は深い関係があります。とくに、糖尿病の方には注意が必要です。糖尿病では、インスリンの注射を行いますが、インスリンは血液から細胞内にあるカリウムの移動を起こさせ『低カリウム血症』を起こします。