100兆個のを常在菌で私たちは、健康な日々を送っています。
前回までのことはおおよそ以下のような話でした。私たちの身体は、私たちが持っている細胞の活動だけて生きているのではなく、細胞に住みついている膨大な常在菌によって活かされているということでした。これを「マイクロバイオーム」といいました。その常在菌は、人間に共生する100兆個を越える程の数。「その生活がガンなのです」の著者である宗像久男医師は、常在菌のない細胞がガンになると仰っています。だから、私たちが生きていくためには、共生する常在菌が必要だといえます。その常在菌が元気に働ける様な体作りこそが、健康の秘訣です。
しかし、現在の私たちが食べる食物を見てみると、常在菌が豊かに働けるものでは無いことが見えてきます。例えば野菜は、化学肥料によって大量生産されています。いわゆる窒素、リン酸、カリウムが主な原料となっている人工的な肥料で作られており、形だけは野菜の形をしていますが、中味はまったく栄養のない食材です。前回も取り上げましたが、現在では半世紀前の一束のホウレンソウの栄養を摂取するのに6束のホウレンソウが必要になっています。
さらに、大量生産するにあたり住みつく虫たちを駆除するために多量の農薬を収獲までに何回も撒布します。そうすると、大切な微生物も死滅してしまいます。この微生物たちは、土壌のミネラルや有機物を野菜に取り込めやすくしているので、栄養価の高い野菜がさらにできなくなっているのです。例えば、稲作を例に取ると慣行農家では、稲からお米の刈り取りまでに何と19回もの農薬を散布するように自治体から推奨されています。
私たちは、微生物が死滅した田んぼからできたお米を食べているといっても過言ではありません。
現代が作りあげた、恐ろしい病気
現代は昔には無かった各種アレルギー、花粉症、喘息、うつ病、自閉症、クローン病、糖尿病、多発性硬化症などの疾病が発生してきたといえます。ですから、私たちは自らの健康を維持するためにも食材をようく注視し、賢く栄養を摂ることが必要だと思います。
さらに付け加えるならば、薬のことです。一般的に日本は世界の薬の4割以上を消費しているといわれます。薬大国です。抗菌薬やステロイドといったものは文字通り、常在菌を死滅させるものです。薬の乱用も控えるのが当然のことだと結論できます。