慢性腎臓病は、ここ二十年で二倍も増加
厚生労働省の[腎疾患対策検討会報告書(案)~腎疾患対策の更なる推進を目指して~]レポートを見ると、慢性腎臓病は一九九五年から二〇一五年で約二倍に増加しています。
慢性腎臓病(CKD)とは
慢性腎臓病(CKD)は、一つの病気の名前ではなく、腎臓の働きが徐々に低下していくさまざまな腎臓病を包括した総称です。
予防啓発に積極的に取り組むために提唱された名称で、医学的には、「蛋白尿」等または「腎機能低下」が三ヶ月以上続く状態と定義されます。
糖尿病患者が新規透析患者の四割を占める
透析患者に新たになる人の割合は「糖尿病患者」が四割以上を占めています。
多い順から
- 糖尿病性腎症
- 慢性糸球体腎炎
- 腎硬化症
- 多発性嚢胞腎」
腎不全は、死因七位
腎不全は、悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患、老衰、不慮の事故に次いで我が国の死因の第 七位です。(平成 二七 年人口動態調査)が、透析患者をはじめとする慢性腎臓病(CKD)患者は、心疾患や脳血管疾患等の合併症が死因となることが多いのです。
腎臓を守る食習慣三つの改善とは
一つは、腎臓を守るために『減塩』です。
厚生労働省の摂取目標は、男性八g。女性七g。
一般的なコンビニの弁当の塩分量は、四gと驚きの量です。因みに野生の動物の一日の塩分摂取量は、たったの二g。いかに人間が塩分摂り過ぎなのか分かります。
二つは、[タンパク質]の摂取をコントロール
腎臓は、食事からタンパク質を代謝させて尿素やクレアチニンなどを老廃物として排泄します。
「タンパク質」を多く摂り過ぎてしまうと、『尿素』や『クレアチニン』が上手に排泄されず、体内に増加します。これらは、腎臓からしか排泄されないので、「タンパク質」を多く摂ると、腎臓に大きな負担をかけます。
三つ目は、[水分]を積極的に摂ること。
人間が、一日に排泄する水分は2.5リットルになります。なので、人が一日に摂る水分量の目安は、同じ2.5リットルでないといけません。
適度な水分補給をしないと、脱水症状を起こしてしまいます。すると、腎臓にも大きな負担がかかるのです。