子どもの肥満は、不安やうつ病のリスクが43%高い

子どもの肥満は、大人になってからの初期の死亡リスクが3倍高い

歯並びは母親の栄養で決まります

子どもの肥満は、生活習慣病になる可能性が高い

肥満になることは、動脈硬化やインスリン抵抗性を誘導して、糖尿病や高血圧をはじめいろいろな生活習慣病を引き起こします。

この肥満の問題は、現代では、大人だけの問題ではありません

生活習慣病は、昔は成人病などとよばれていましたが、なぜ成人病とよばれていたかというと、成人してから加齢とともに発症する病気だと考えられていたからです。

しかし、、、

現代では、糖尿病や高血圧、脂質異常症が大人だけではなくて子どもにも発症するようになり、[生活習慣病]とよばれるようになりました

ですから、、、

  • 「まだ、子どもだから太っているけど、大人になれば痩せていくだろう」というのは、非常に甘い捉え方だといえます

子どもの肥満は、将来、高い確率で脳卒中などのリスクが高くなる

子どもも大人と同じで、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病になっていくと、動脈の血管を傷つけます。それは、やがて動脈が破れたり詰まったりして、細胞が壊死したりすることで致命的なことにつながります。

アディポサイトカイン
アディポサイトカイン

肥満の子どもは、親の生活習慣や食習慣を受け継ぐ

子どもは、親の影響をダイレクトに受けます。親や家族、そして大人の生活習慣を真似ます。とくに味覚、好みのものなどの食習慣の影響は大きいです。

生活する環境が、肥満になりやすい環境なら、その影響は大きいです。

下のデータは、神奈川県教育委員会研究委託の『子どもの肥満と生活習慣病』からとった改変です。

家族性と体質
家族性と体質

1999年〜2006年にかけて行われた平塚市における肥満度20%以上の小学4年生423名の家族についての調査では、52.2%の家族に何らかの動脈硬化性要因が認められました。
このことは、家族の生活習慣に影響されやすいことを示唆しています。(原文まま)
→神奈川県教育委員会研究委託の『子どもの肥満と生活習慣病

子どもの頃の肥満は、大人になってから不安やうつ病のリスクが高い

スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究では、、、

  • 肥満の子どもは、一般人口の子どもと比較して、成人初期の死亡リスクが3倍も高く

さらに、、、

  • 不安やうつ病にかかる可能性が高い

と、発表しています。

→ 小児肥満は不安、うつ病、および早死のリスクが高いことに関連しています

この研究チームは、3歳〜17歳のある時点で肥満治療を受けた約7,000人を対象に、3.6年追跡調査しました。比較対象としたのは、彼らを含む年齢や性別、居住地域が一致する3万4,000人。

すると、、、

  • 3.6年間の追跡調査で、小児肥満グループの合計39人(0.55%)が死亡しました
  • 死亡年齢:平均年齢22歳

コントロールグループ(対照群)は、0.19%にとどまりました。

この研究の著者であるエミリア・ハングマン(Emilia Hagman)さんは、、、

「体性疾患による死亡のリスクは4分の1以上が肥満に直接関連しており、自殺のリスクもこのグループで増加しました。しかし、怪我や犯罪行為などの外的要因による死亡リスクの増加は見られませんでした。」

と、述べています。

実に、死亡のリスクの4分の1以上が子どもの肥満に直接関連しているのです

また、彼女は、、、

  • 肥満の子供が若年成人としてすでに早死になるリスクが著しく高い

と、語っています。

子どもの頃の肥満は、55歳になる前に死亡するリスクが高い

医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル」に掲載された記事では、、、

  • 子ども時代に肥満児だった場合、55歳になる前に死亡するリスクが高まる

との調査結果がでたとあります。

死亡原因は、内因性死亡だった

この調査は、糖尿病を発症していない5〜20歳のアメリカ先住民の子ども4,857人を対象に長期間の追跡調査で、、、

  • 166人が、55歳になる前に死亡した

死因は、病気やアルコール依存症、薬物使用が原因の突然死、いわゆる「内因性死亡」。

また、、、

  • 肥満児だった人の内因性死亡率は、子ども時代にやせていた人の約2倍

という、驚きに割合です。

 





 





子どもの肥満を解消すれば、大人になってからの骨粗鬆症のリスクが下がる

子どもの肥満の対策は、早ければ早いほどいい

先進国では、子どもの肥満が年々増加しています。成人のメタボリックシンドロームは、子どもの頃の肥満が影響しています。また、子どもの頃、既にメタボリックシンドロームの予備軍でだったのがそのまま引き継がれています。

  • 大人になってからの生活習慣病は、多く場合、子ども時代にその芽が既にあった

ということになります。

  1. 子どもの頃から動脈硬化は進行
  2. 子どもの頃から脂肪肝や睡眠時無呼吸
  3. 子ども肥満は、膝・腰などに悪い影響を与える
  4. 年長になってからの肥満ほど、大人の肥満に移行しやすい
子どもの肥満は大人の肥満のもと
子どもの肥満は大人の肥満のもと

子どもは、BMI(体格指数)ではなく肥満度をしようする

成人は、成長が止まっているのでBMIを用いて体格指数(肥満指数)を判別することが多いです。

 





子どもの場合は、成長段階にあるために肥満度を用いています。

肥満度(%)=(実測体重-標準体重)×100÷標準体重

子どもの肥満度の評価
幼児:肥満度15%以上太りぎみ
幼児:肥満度20%以上やや太りすぎ
幼児:肥満度30%以上太りすぎ
学童:肥満度20%以上軽度肥満
学童:肥満度30%以上中等度肥満
学童:肥満度50%以上高度肥満
小児期(6〜15歳)のメタボリックシンドロームの診断基準
①があり、②〜④のうち2項目を有する場合にメタボリック症候群と診断する
①腹囲腹囲80cm以上
②血清脂質中性脂肪120mg/dl以上 and/or HDLコレステロール40mg/dl未満
③血圧収縮期血圧125mmHg以上 and/or 拡張期血圧70mmHg以上
④空腹時血糖100mg/dl以上
注)腹囲/身長が0.5以上あれば項目①に該当するとする、小学生では腹囲75cm以上で項目①に該当するとする

厚生労働省研究班「小児期メタボリック症候群の概念・病態・診断基準の確立及び効果的介入に関するコホート研究」平成18年度研究報告書(2007.3)

子どもの肥満対策は、小学校に入学する前から

幼児期からの肥満対策はとても重要です。

たとえば、、、

  • 小学入学前に肥満している幼児は、肥満していない幼児に比べて思春期に肥満になる確率が【30~60倍】になります

ですから、幼児期の肥満は、高い確率で思春期の肥満を生んでいることになります。

ですから、、、

幼い頃からよい生活習慣を身につけてあげることが大切です

親がガリガリに痩せていると肥満の子が産まれる

最後に、ダイエットを頑張りすぎてガリガリに痩せていると、産まれてくる子供は将来高い確率で糖尿病や高血圧になるというエピソードを紹介します。

 





オランダの飢餓

1944年(昭和19年)九月。連合国軍がパリを開放した頃、ナチスドイツはまだオランダを支配し続けていました。港の封鎖や食糧補給路の寸断により、アムステルダムを含むオランダ西部の地域では、深刻な飢餓状態に陥りました。
住民は、パンとジャガイモだけの1日700キロカロリー程度の食料しか摂ることができず、冬の寒さの影響もあり、1945年5月、連合国軍によって解放されるまで、2万2千人が餓死しました。
「オランダの飢餓」と呼ばれる事件です。

この住民の中にイギリス人の両親を持つ15歳の少女がいました。ダンサー志望のこの少女は、見る人をとりこにする不思議な眼を持っていて、飢餓に耐え生存することができました。22歳の時、ローマを訪れる王女役としてアメリカ映画にデビューしました。女優オードリーヘップバーンの誕生です。
「オランダの飢餓」を経験した人で、オードリーのように生涯スリムな体形を維持した人は、稀で、生き延びた住民を25年間追跡調査した研究によると、飢餓を経験した住民の実に80%が後に肥満になっていることがわかりました。

この研究でもっと重要なことは、飢餓の時期を経て生まれた子供の追跡調査の結果です。飢餓状態の母親から生まれた子供は、成人後、高率に糖尿病や高血圧の生活習慣病になっていたのです。 母親のお腹の中にいる胎児は、妊娠期間中に、胎盤を通して周囲の環境を察知し、少ない栄養を効率よく胎内に取り入れようとする体質を作るので太りやすくなるのです。

女優オードリーヘップバーン

→ 高石市にある耳原高石診療所:ドクター松葉のぴりからコラム

 





ではでは。